【リーダーシップ②】リーダーシップを発揮するのに必要な3つの力とは

前回のコラムでは、リーダーシップを発揮するのに肩書きは不要で、
一人ひとりがリーダーシップを発揮することが
強い組織づくりには重要だと紹介しました。

日本では2008年に生産人口だけではなく総人口も減少に転じました。
それにともない、少子高齢化やグローバル化、社会の多様化が進み、
市場変化のスピードは加速。企業間競争はますます激しくなっています。
組織として持続的に成長していくためには、社員全員がそれぞれのリーダーシップを
発揮し、「全員活躍」することが必要となります。

リーダーシップとは、周囲に対しての影響力や積極的な働きかけのことです。
組織の目標や目的を達成するために、全員が主体的に仕事に参加し、
リーダーシップを発揮することが、組織の生産性をあげることに繋がります。

では、リーダーシップを発揮するためには、どのような力が必要なのでしょうか。
それは、以下の3つの力だと考えています。

①気づく力
②聞く力
③指し示す力

リーダーシップを発揮している人の気づく力

組織やチームで業務を継続しておこなっていると、ある時点で合理的で
あろうと思われている仕事の進め方が出来上がり、仕事に対する固定観念が
形成されています。
そのため、現状に対する業務効率化のような話は受け入れられやすいですが、
その仕事に対する新しい考え方やそもそもの疑問については排除されてしまうことが
多くなりがちです。

そんな場面においてリーダーは、周囲のメンバーが発言・提案した新しい考え方を
排除するのではなく、これまでの考え方と冷静に比較し、論理的、合理的に
利益があるのであれば積極的に取り入れたり、取り入れることを提言することが
求められます。

そのためにも、マインドを変える①のコラムでも紹介した、自身の認知の歪みを認識し、
これまで見えていなかったものを見ようとするマインドが重要になってきます。
リーダーは新しい考え方に触れた時に、一度立ち止まって、
これまでの考え方や仕事の進め方をしっかり見なければ、本当に重要なことを
見落としてしまうことにつながりかねません。

また、ある時点にだけ注目するのではなく、仕事やものごとを一連の流れとして
見ることも必要です。
たとえば、どのような情報やモノを用いて仕事を始めるのか、
各プロセスにおいて情報やモノがどう変化するのか、あるプロセスが完了したら
次に情報やモノはどう動くのかなど、情報やモノの流れを追って見ることで、
これまでの考え方や仕事の進め方を、より論理的・合理的に見つめ直すことが
できるようになります。

リーダーシップを発揮している人の聞く力

仕事や会議などコミュニケーションの場面で、日本人が特に苦手とすることの一つに、
「おかしいなと思ったことを口に出す」ことがあります。
調和を重んじるという文化の影響もあるでしょうし、合理性やスピードを重視して、
流れを断ち切る可能性のある、あるいは新しい流れをつくってしまうかもしれない
ひと言が言えないという状況は、よくあるのではないでしょうか。

より効率よく、より高品質に、というのは従来の日本企業の成長戦略でした。
どのように仕事を進めていくか、ということが議題の中心にある、
いわゆる「How toの経営」では、仕事や会議は効率的に進められる必要がありました。
ですが現在は、SDGsやESGなどの考え方が広がり、創造性を発揮したり変革を
おこなうために、そもそもの事業の目的から考える「Whyの経営」へと、
時代が変わってきています。

納得できない点を明らかにし、現状の問題点をより明確にするために、
「私はこう思う」と発言できることこそ、新たな気づきを得るきっかけとなります。

そんな大事な発言を促すためにも、「聞く力」は非常に重要です。
たとえば「聞く力」の優れたリーダーが会議に参加すると、途端に会議での発言が増え、
様々な意見を聞くことができます。

聞く力に重要なことは、相手を大切に思い、受容するマインドです。
発言してくれたという行動を認め、発言の背景や想いを聞くことで、
相手は自分の意見を受けとめてくれたと感じ、発言しやすい環境をつくることができます。
そうすると、発言してくれた人の意見に別の意見をぶつけても、
発言者は委縮しづらくなります。

重要なことは、自分がちゃんと聞いていると思っているかどうかではなく、
相手がちゃんと聞いてもらっていると感じているかどうかです。

ここでいう相手、というのは周囲にいるメンバーだけではなく、
上司や経営者、お客様などの社外の方も含みます。
会社内外の多様な意見を聞くことで、新たな気づきを得ることができ、
それが会社や組織、人材の成長スピードを速めることにつながります。

リーダーシップを発揮している人の指し示す力

リーダーには、組織の成果を最大化することが期待されています。
人を通じて成果をつくり出すためには、「組織や経営の方向性を指し示す」
あるいは「人材をその方向に向かわせる」リーダーシップの発揮が不可欠です。

「組織や経営の方向性を指し示す」とは、自分たちの目指す姿や
向かうべき道を示すということです。
目指す姿というのは、あるべき姿のような理想の姿ではなく、
1年先や数年先などに実現したい姿であり、自分たちの環境や能力などを
背景として具体的に描かれるものです。

組織や経営の方向性に合った、具体的に描かれた目指す姿を指し示すためには、
組織の掲げる大きなミッションビジョンは自分の言葉で説明できるように
しておく必要があります。

たとえば下図のようなツールを使用して、組織全体のミッションやビジョン、
戦略の整合性をわかりやすく表すと整理しやすくなります。

このツールでは、経営の方向性である、ビジョン・ミッション・バリューを
家の屋根と土台に見立て、チームのゴールやそのための戦略などを家の柱として
描くことで、経営の方向性と自分たちの目指す姿を1枚の絵に
まとめることができます。

このように整理することで、自分たちの目指す姿が、ビジョン・ミッション・バリューと
どうつながっているかが分かり、自分の言葉で話すことができるようになります。

また、「人材をその方向に向かわせる」とは、メンバーの想いを引き出し、
その想いを自身に認識させ、それぞれに違うキャリアパスや夢に整合した役割を
示すことです。メンバーの想いや役割を明確にすることは、
個人やチーム全体のモチベーションアップにもつながります。

全員活躍のためのリーダーシップデザイン研修事例紹介

今回挙げた3つの力は、役職者だけが発揮すべきものではありません。
「全員活躍」できる組織にするために、幅広い人材が3つの力を身に付け、
リーダーシップを発揮する必要があります。

そこで、「全員活躍」を目指して、一人ひとりのリーダーシップを
磨くことをねらいとした研修事例を紹介します。

【テーマ】
リーダーシップデザイン研修

【ねらい】
・自分の持ち味を活かしたリーダーシップを見出す
・周囲とどのように関わり巻き込んでいくか、また、組織に貢献していくかを明確にする
・今後のキャリアアップを具体的にイメージし、より前向きで主体的な働き方をする

【内容】
1)自己の棚卸し
事前課題を活用し自身の強みやリソースを整理します。
ペアになってお互いの価値観を探るインタビューワークや、
カードゲームで自分の価値観に対する認知の歪みを知り、新たな気づきを与えます。

2)自分らしさを活かす
ケーススタディのトラブル対処から、自分らしさや行動スタイルを考察します。
自分のモチベーションを上げる原動力や、周囲のモチベーションに対する
自身の影響力を理解します。

3)持ち味を活かした働き方
組織の中で自身がどのように活躍できるかを、強み発見ゲームなどを通じて、
自分らしい貢献やありたい姿を具体的にイメージします。

4)今後期待されるリーダーの働き方
あらためて、組織のミッション、ビジョン、文化を再確認し、会社からの期待と
自分の仕事の意義を考えます。
自分の果たすべき役割を明確にし、その期待に応えるために社内外のリソースを
どのように活用するかをプランニングします。

5)キャリアアップイメージと実行計画
自分が描くビジョンを語り、目指す次のステップやその姿を明確にします。
3ヶ月、6ヶ月後までに何を達成するのか、そのために何を始め、何を続け、
何を止めるのかを言語化します。

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