「言葉の持つ力」を知って、最高のリーダーを目指す!~アジャイル思考編~

リーダーが持つ、最も大きな武器とは何でしょうか。

多くのリーダーが、チームで成果を上げるためにどうすればいいのか悩んでいます。

「この施策をやれと言ったのはリーダーです。私は言われたとおりに動きました。」
「それがわが社の方針ですよね。」
「特に異論はありません。おっしゃる通りです。そのようにやります。」

など、周りを上手に巻き込むことができず、あきらめや無力感から出る
メンバーの言葉に、どうしたらいいのか、また、何から変えたらいいのか
分からなくなっているリーダーが、みなさんの組織にもいるのではないでしょうか。

このシリーズのコラムでは、最高のリーダーが持っている「言葉の持つ力」に着目し、
実際の仕事にどんな影響を及ぼすのかをご紹介します。

第2弾の今回は、「プロジェクトの進め方」をテーマに、アジャイル思考を取り上げます。

プロジェクトマネジメントについて知りたい方は、
こちらのコラム(近日公開予定)をご覧ください。

うまくいかないプロジェクトとは

現代社会はVUCAの時代といわれ、変化が早く、激しいため、少し先のことですら
予測が難しい時代といわれています。
ですので、どんな業務を担う社員であっても、その変化にスピード感をもって
対応することが求められます。
そのためには、トライアル&エラーを繰り返すことでPDCAを素早く回し、
より早く失敗して改善を繰り返す必要があります。

そんな中、たとえば既存事業の原材料が高騰し、調達も不安定になってきたため、
別の安定した収入の柱をつくるために、新規事業を立ち上げるプロジェクトが
立ち上がったとします。

そのプロジェクトリーダーから、こんな言葉が出ていないでしょうか。

「なぜ新規事業が必要なのか、言いたいことはわかるよね?」
「マイルストーンを置いて、進捗を確認すべきだ。
MTGは1か月に1回がいいんじゃないかな?」
「マネタイズの計算ができる段階まで進めば、大丈夫なんだよね?」
「大丈夫。これだけのメンバーが集まっているんだから、うまくいくはずだ!」

プロジェクトリーダーからこのような言葉が出ていたら、そのプロジェクトは黄信号です。

なぜなら、上から順番に、

・承諾を強要するような聞き方をしている
・セリフが自問自答になっている
・自分が正解だと認めてほしいだけの質問をしている
・根拠がない思い込みになっている

からです。
このような言葉で進められるプロジェクトは、なんとなく、
その場の雰囲気で進んでしまいがちです。

こうした言葉が出てしまうリーダーは、考えるのが自分の仕事で、
実行するのがメンバーの仕事だと思っている可能性があります。

プロジェクトリーダーは、自分自身も一流のプレイヤーとして活躍していることが多く、
メンバーの動きを常に把握し、先読みしつつ、計画を状況に応じて
修正・判断する能力が求められます。
つまり、プロジェクトリーダーは優秀な人材が任されることが多いので、
そう思ってしまうこともやむをえないことかもしれません。

ですが、VUCAの現代において、リーダーが正しく判断するのに、
十分な時間や情報があることはまれであり、どんなに優秀であっても、
ひとりでプロジェクトを管理しきることはできません。

そこで、重要なのが、プロジェクトメンバーの思考と発言を促し、
多様な視点や発想を取り入れることです。

プロジェクト進行に必要な思考と行動のバランス

プロジェクトメンバーの思考と発言を促すとはいっても、それだけでは
プロジェクトを進めることができません。

プロジェクトを進めていくためには、思考のフェーズと実行のフェーズを
繰り返していくことが必要です。

思考ばかりだと、プロジェクトが最終的にどうなってほしいかを描き、
現状を詳細に調査・分析することはできますが、かえってどこから手をつければいいか
迷ってしまったり、決断が先延ばしになったりする恐れがあります。

逆に行動ばかりだと、目の前にある問題を解決することはできるかもしれませんが、
日々時間に追われるようになり、自分が最善と考えることを実行するように
メンバーに強要する繰り返しに、自分は常に消耗し、メンバーは
命令に従っているだけの状態になってしまいます。

あるべきプロジェクトの進行とは、思考と行動のバランスを取り、
サイクルを回すことで、組織の適応力が高い状態を維持できている状態です。

その思考と行動のサイクルをより短い期間で回すことが、現代では求められています。

アジャイル思考とは

時代の変化に対して、スピーディに対応することができる思考法として、
注目を集めているのが、アジャイル思考です。

アジャイル思考は、ソフトウェアやシステムを開発するときの手法のひとつである、
アジャイル開発から生まれた思考法です。

アジャイル開発では、基本的な機能ごとの単位で、
問題提起→現状認識・分析→要件定義→設計・計画→開発→テスト→リリース
という工程を進めます。

皆さんの身の回りにも、頻繁にアップデートを繰り返しているアプリや
サービスがあるのではないでしょうか。

早いものでは、2週間おきに開発中の製品を納品し、ユーザーに試してもらいます。
そうすることで、現状のニーズに応じた修正を繰り返すことが可能になります。

また、アジャイル開発では、従来のプロジェクトのように、
思考する人と行動する人をわけず、行動する人が思考と判断をおこなうのが特徴です。

そんなアジャイル開発から生まれたアジャイル思考では、

・素早く、短時間でPDCAを回す
・トライアル&エラーを繰り返す

ことが重視されます。

アジャイル思考では、新しいアイデア(思考)を速やかに実践して(行動)、
より早く失敗して改善を目指す(思考)サイクルをコンパクトに回します。
そうして一刻も早くプロジェクトをかたちにして、継続的にPDCAを回し、
品質を向上させていくのです。

アジャイル思考でのプロジェクトの進め方のメリットとは

アジャイル思考でプロジェクトを進めることの最大の特徴は、
プロジェクトの見直し・中断のタイミングが頻繁に発生することです。

プロジェクトを進めるときにありがちなのが、当初決めたスケジュール通りに
進めることを重要視してしまい、「おかしいな」と思っているのに立ち止まらず、
そのまま進んで結局は失敗してしまうことです。

より早く失敗して改善を目指す、というフェーズが頻繁に発生することで、

「ここまでの実績数字を見て、プロジェクトを一度見直そう」
「何か引っかかっていることがあれば教えてほしい」
「あなたの考えを聞かせてほしい」

のような言葉を、プロジェクトリーダーが発する機会が増え、
現場からの見直しや中断の兆候を得やすくなりますし、中断する、
という判断もしやすくなります。

思考→行動→思考のサイクルが回せるリーダーとは

プロジェクトリーダーは、思考のフェーズでは多様な意見を引き出し、
行動のフェーズでは意見を一致させて、プロジェクトを推進しなくてはいけません。

たとえば思考のフェーズでは、こうありたい、こうあるべきという思考をグッと抑えて、
他者の意見や考えに興味を持ち、選択肢を増やしていきます。

そんなときには、

「〇〇について、あなたはどう思いますか?」
「〇〇について、われわれはどの程度準備ができていますか?」
「もっといい方法はないだろうか?」
「別の見方はできないでしょうか?」
「見落としていることはないだろうか?」
「どのような失敗が考えられると思いますか?」
「〇〇を実施して一番問題になりそうなことは何だと思いますか?」
「今回の行動で学んだことはどんなことでしょうか?」

のような質問を使い、多種多様な意見が歓迎されていることを伝えます。

一方で行動のフェーズでは、内省や反対意見をグッと抑えて、
チームを鼓舞し、行動を促すセリフを活用します。

たとえば、

「まずはこれだけやり遂げよう!」
「アイデアを現実にしよう!」
「〇〇を終わらせよう!」
「計画通りに進んでいるか?」

のような言葉を使うと有効です。

このような言葉を活用し、思考と行動のメリハリをつけることで、アジャイル思考での
プロジェクト進行に求められる、思考→行動→思考のサイクルを
効果的に回すことができるようになります。

デザインシンキング研修事例紹介

今回ご紹介する研修事例は、デザイン思考(企画)とアジャイル(開発)を統合させ、
消費者の心理をつかむ導線設計から製品開発までを担える人材育成を目的とした研修です。

また、アジャイル思考だけでなく、プロジェクトの企画に必要な
デザイン思考から学ぶことで、イノベーションが起こせる人材を
育成することが可能です。

テーマ:
デザインシンキング研修(1日)

目的:
革新的なアウトプットをするために、デザインシンキングを中心に開発までの流れを学ぶ

ねらい:
・イノベーション創出手法であるデザイン思考とその進め方を理解する
・「デザイン思考」と「アジャイル」を統合したアプローチが、
顧客価値の創造に有効なことを学び、それぞれの思考法を身につける

学びのポイント:
・実際の成功例と失敗例から、デザイン思考をビジネスで活用するイメージを具体化する
・自分自身の感受性や価値観が他者と違うことを認識することで、多様性の価値に気づく
・デザイン思考で見つけた課題を実際に解決するための、アジャイル思考を習得する

内容:
①デザイン思考の基本
デザイン思考とは何か、ビジネスとどう関係するのかを学びます。
実際の成功例と失敗例を知ることで、ビジネスでデザイン思考を活用するためには
何をすればいいのかがわかります。

知識をインプットしたうえで、デザイン思考が自分のビジネスにどう貢献できるかを
具体的に考えるワークショップを実施し、デザイン思考の有効性に気づき、
現場で使うマインドを醸成します。

②デザインシンキングを身につける
消費者の行動やその理由、感情的なニーズを書き出し、デザイン思考の
最初のフェーズである、「観察」を体感します。
その後、ブレインストーミングの正しい進め方や親和図法という
グループ発想技法について学び、「観察」に続く「発想」のフェーズで、
選択可能なアイデアをできる限り押し広げる手法を身につけます。
最後に、素早く安くかたちにし、消費者から有益なフィードバックを引き出す、
「プロトタイピング」のフェーズについて知ることで、デザイン思考から発生する
プロジェクト進行から、顧客課題を解決するアプローチを習得します。

③リーンスタートアップの基本
リーンスタートアップがどのような手法かを学び、
実際の成功例や失敗例から自社との関連性を体感します。

また、リーンスタートアップがプロジェクトチームにとってどのように役立つかを
考えるワークを通じて、活用できるチームづくりのスキルを習得します。

④アジャイルの基本
アジャイルについて学び、実際の成功例や失敗例から、
デザイン思考で見つけた顧客課題の解決に、アジャイル思考を取り入れることが
有効だと理解します。

アジャイル思考がどのように役立てるかを考えるワークでは、
アジャイル思考を活用するマインドを醸成するだけでなく、
実際に現場で使えるよう練習し、背中を押します。

弊社では、個社ごとに完全オーダーメイドで研修をご提案しております。
パートナーとして協力いただいている外部トレーナーが400名以上おり、
個社ごとに合った研修をプロデュースしております。
デザインシンキング研修のバリエーションも豊富です。
本記事を参考に、是非自社に合った研修を実施してはいかがでしょうか。

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