自分が認められていると感じられる職場づくりに大切なこと

以前に投稿した記事、
「インクルージョンとは何か」
で説明したように、ダイバーシティ&インクルージョンで重要なことは、
その企業で働く人たちが「自分の能力が認められ、活かされている状態」だと
感じられる職場をつくることです。

ダイバーシティ&インクルージョン推進者の苦悩

弊社ではありがたいことに、ダイバーシティ&インクルージョンに関係する
研修を提案させていただく機会が増えてきました。
その企業の課題に合わせて研修をカスタマイズしていますので、
課題のヒアリングはしつこいくらいするようにしています。

「会社は起業家精神を求めているが、ライフイベントにぶつかると
マインドが変わり委縮する人が増えてしまう」
「自分らしくできることをやりたい、という声を聞いていたら、
いつの間にか挑戦者がいなくなってしまった」
「責任感が非常に強くいつも頑張ってくれているため、
逆に現状維持を望む声が増えてしまい、上のポジションを目指してくれなくなった」
「これまでのやり方を熟知しているため上司を含め頼られており、
十分に会社の役に立ってくれている。しかし、やったことがないことに
無意識に線を引いてしまうため、上昇志向の若手とコミュニケーションが
うまく取れず、双方のモチベーションが下がってしまった」

こんなお悩みを深掘りし、これまでの取り組みや将来の理想像を伺いながら、
今の課題に最も効果的だと思う打ち手を日々話し合っています。
時には弊社の商売とは関係がない話にもなりますが、そんなことは関係なく、
ダイバーシティ&インクルージョン推進のお手伝いをしていきたいと考えています。

働き方改革とは働きやすい環境づくりだけなのか

弊社も含めて、多くの企業が取り組んでいることに、働き方改革があります。
しかし、働き方改革は、働きやすい環境づくりだけだと捉えられているケースが
多いようです。
最近普及しているテレワークやオフィスのフリーアドレス化、
フレックス制度の導入を進めている企業は多いかと思います。
育児休業や介護休業、時短勤務の制度はもはや当たり前となりつつあり、
最近は週休3日制なんて話もでていますね。

働きやすい環境づくりは、人生のある時期に制限のある社員が働きやすくなったり、
採用に有利になったりと、もちろん大きなメリットがあります。
ただ実際にはそれだけで、会社が望む以上に社員が活躍し、イノベーションが進んだ、
などの成功体験の話はほとんど耳にしません。

働き方改革でもう1つ考えていただきたいのは、働きがいです。
働きがいがなければ、職場で働く人は意欲を持って仕事に取り組むことが
できないのではないでしょうか。

アメリカの臨床心理学者であるフレデリック・ハーズバーグが提唱した
二要因理論によると、働きやすさと働きがいは以下のような関係として説明されています。

【働きやすさは社員の不満足を解消する打ち手】
働く環境や労働条件、人間関係、給料などが働きやすさを改善する際に議論されます。

【働きがいは、社員の満足を増やすために必要なもの】
仕事内容や責任、承認、達成感などが働きがいを感じさせるために重要なものです。

給料をあげるだけでは働きがいにつながらない?

働きやすさで最もインパクトがありそうなのが、給料を上げることです。
そして、給料を上げれば働きがいも感じてくれるようになりそうですよね。
でも実際に給料を上げることで、社員のモチベーションが上がり、
これまでにないようなやり方で仕事を工夫してくれるようになってくれるのでしょうか。

ここでサム・スラックスバーグという科学者の実験を紹介します。
この実験では、ある問題をみせて、
参加者に「この問題を解けるまでにかかる時間を計ります」と伝えます。
一方には平均時間を知りたいとだけいい、
もう一方のグループには具体的な報酬を提示します。
どちらのグループがより早く問題を解くことができたと思いますか。

意外なことに、報酬を提示されていないグループのほうが早く問題を解いたのです。
思考力とクリエイティビティを加速するために用意した報酬が、
逆に効率を悪くしてしまったという実験結果でした。

働きがいを感じる組織とは

働きがいを感じられる組織とは、どのような組織でしょうか。
これにも明確な答えはありませんが、上下関係ではなく、
共通の目的でつながる組織を目指すと働きがいを感じてもらいやすくなります。
組織の目的は、大きいものでは経営理念がそれに当たりますが、
各事業部やチームごとでもビジョンがあります。
これらのビジョンが、社員・メンバーにとって魅力を感じられる「ありたい姿」を
示していれば、内発的な動機付けにつながります。

組織の目的を中心にして多様なメンバーが集まることで、
役職や年齢、性別などに関係なく個性を活かす機会が生まれ、
メンバーは目的にコミットしているという実感が得られます。

つまり、「自分の能力が認められ、活かされている状態」だと感じるのです。
欧米の一部企業ではこれがさらに進み、ホラクラシー組織という、
社内に役職や階級、上司と部下の関係などが一切存在しない組織構造が導入されて
話題になっています。

ここで必要なことが、ダイバーシティ&インクルージョンの基本、違いを認めることです。
違いを認めて相手の価値観を知る努力をしてこそ、自分や組織のあり方を深く考え、
やり方を変えることができるようになります。

働きがいを考えてもらえるための研修とは

ダイバーシティ&インクルージョンの研修で、この働きがいに注目して
研修プログラムを仕立てることがあります。
以前は女性活躍のテーマで多く実施していましたが、最近ではシニア層の社員に
働きがいを考えてもらうプログラムも増えています。

弊社では、個社ごとに完全オーダーメイドで研修をご提案しております。
ダイバーシティ&インクルージョンに関する企業課題を十分にヒアリングした上で、
個社ごとのダイバーシティ&インクルージョン推進に対するアドバイスや
人材育成を実施しております。
自社に合ったダイバーシティ&インクルージョン研修、組織開発を実施していただき、
自社を成長させる第一歩を踏み出してはいかがでしょうか。

【自分や世の中の現状を再認識し、すべきことと向き合う】
座学で世の中の流れを学んだあと、個人ワークの場合では自分の現状とあり方を認識し、
グループワークの場合では会社の仕事における理想と現実について、
自由に話してまとめてもらいます。
グループワークではよく愚痴がでますが、それがのちに宝物となることが多いです。

【ミッション・ビジョンを考える】
次に自分がしたいことと向き合います。
自分のこれまでを振り返り内省することで、自分の価値観に気づき、
これから何をやりたいのかを書き出します。

【将来に目を向ける】
書き出したやりたいことをなぜやらなかったか、できないのかを深掘りして考え、
将来について考えるきっかけをつくります。
グループでおこなう場合には、幸福な未来図と不幸な未来図をそれぞれ想像してもらい、
発表を通じて将来に目を向けてもらいます。

【成長を計画する】
自分の強みや人間関係、できることを棚卸し、自分が成長するために必要なことを
明らかにします。
必要なことが分かったら、あるべき自分になるためにおこなうことを明確にし、
何から始めるか決めます。

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