マインドを変える②~目標設定はゼロベース思考で~

マインドを変えるシリーズの第2弾は目標設定についてお話します。
第1弾では、マインドは心と脳であり、マインドを変えることは
認知の歪みを外して、普段みえていないものをみえるようにする、
というお話をしました。

人は、マインドを変えたいと願いつつもマインドを変えることを恐れ、
現状維持に流れてしまいがちです。
目標を決めることは、実際にマインドを変えていく大きな手助けとなります。

ゴールを決めることの大切さ

マインドを変える時の目標設定で重要なことは、現状からかけ離れたゴールを
決めることです。
マインドを変えることは、普段みえていないものをみえるようにすることなので、
やり方が分かっているようなゴールを決めてもマインドは変わりません。
「こうあるべき」という思考が固まっていて突き抜けたものが出てこない、
保守的で新しいことを考えることが苦手、前例踏襲になってしまうことばかり、
という課題を解決するためには、あえて既成概念を破る、
既存の枠にとらわれない目標設定をすることが重要です。
そうすることで初めて、可能性を広げるマインドが得られます。

目標を設定するコツ

目標設定をするときは、自分の責任の範囲外に目標を定めないように注意します。
前回紹介したように、人には必ず認知の歪みがあります。
それは、脳がパンクしないための保護機能でもあります。
五感で感じる全ての情報を処理して認識することはできません。
人は、自分がみたいと思うものをみて、聞きたいと思うものを聞くように
なっているのです。 

例えば、毎朝子どものお弁当を作っている家庭があるとします。
父親は目覚まし時計をセットしていたとしてもまったく起きず、
母親は目覚まし時計の音に敏感に反応して目が覚めます。
父親が目覚まし時計の音に気付かないのは、お弁当を作ることが
父親の仕事ではないと、心のどこかで考えているからです。
ところが、母親が風邪を引いてしまった場合、突然お弁当作りが
自分の担当となり、責任を感じるようになります。
こうなると、普段起きない父親が、目覚まし時計の音に敏感に反応して
起きるようになります。

自分の責任の範囲内だと認識すると、同じ情報であっても、
その情報の価値がまったく違ってきます。
これは仕事でも同様で、自分が責任を持つ仕事だと認識すると、
途端にその仕事への向き合いかたが変わるものです。

認知の歪みを上手く利用することで、実際の行動は大きく変わります。
ですので目標設定の時には、責任を持つ範囲を明確にすることが重要なのです。

自分が変われば世界が変わる

自分自身の考え方を変えることで、普段とは違う世界がみえてきます。
マインドが変わらないと、昨日と同じことが繰り返され、
「今の仕事なんて・・・」と思うようになってしまいます。
マインドの仕組みを知り、うまく活用することで、自分が変わり、
世界が変わります。
認知の歪みを利用し、現状からかけ離れたゴールを決めることで、
仕事はもちろんのこと、自分の将来との向き合い方も変えることができるのです。

~現状からかけ離れたゴールを決めるために~

多様性を活用してゼロベースで考える

現状からかけ離れたゴールを決めると言われても、
イメージが付きづらいかと思います。
どうしたら普段の自分の考えから抜け出すことができるのでしょうか。

色々な方法が提案されていますが、一つおすすめしたいことは、
ダイバーシティ&インクルージョンを推進して、職場環境の多様性を活用することです。

新宿の街を歩いていたとします。
ある人は小売業の出身なので、店先に並ぶ商品の陳列や、
店舗の入れ替わりが早いサービスや区画に注目します。
広告業界の人なら、これまでなかった場所に出されている広告に
注目するでしょう。
学生なら最近開店したお店や行列ができているお店でしょうか。
ベビーカーを押している人なら、子連れでも入りやすいレストランや
安心して入れそうなお店を求めます。

就職や転職、部署異動、昇進・昇格などをきっかけに、
同じ人でも同じ街の見え方が変わることもあります。

多様な人と交流する場を設けることで、普段の自分の考えから抜け出し、
ゼロベースで思考できるきっかけを作ることができます。

自由に発想するヒント

自分でできるトレーニングもあります。
仕事で上司から依頼や指示を受けると、思考停止になりがちです。
そこで、「なぜこんな指示がきたのか」、「ほかに方法はないのか」と
自分の頭で考えることが重要です。
たとえば資料作成の依頼があったときに、「なぜ」と思考ができていると、
普段とは違った方法を考え、提案することができるようになるでしょう。

日常目にする新聞やテレビの情報も、良いトレーニングの題材です。
普段あまり調べない方法で詳細な情報を収集してみたり、
ニュースの背景を調べてみたりすると、自分の考え方を見直す
良いきっかけになります。
あえて探す情報を決めておくことも有効です。例えば、少子高齢化に
関する情報と決めて手あたり次第に情報を探すと、
普段とは違ったものが目に飛び込んでくるかもしれません。

自分にとって重要なものをたくさん書き出す方法もあります。
今の自分にとって重要なものと、未来の自分にとって重要なものの両方を
書き出すことで、自分がどう変わりたいかを見直すよいヒントになるはずです。

ゼロベース思考を養う研修を活用する

研修は、一度に数十人が集まって同じワークに取り組むため、
自分とは違う意見に触れることができる絶好の機会です。

弊社では、個社ごとに完全オーダーメイドで研修をご提案しております。
パートナーとして協力いただいている外部トレーナーが300名以上おり、
マインドを変える研修のバリエーションも豊富です。
本記事を参考に、是非自社に合ったゼロベース思考を養う研修を
実施してみてはいかがでしょうか。

【自分の常識に気づく】
まずは自分や組織の思い込み、常識の壁を知ります。
提示されたお題に対して、例えばゲームを活用したり絵に描いたりするなどし、
何か形あるものを作ります。
作ったものに対して、それを作った背景にあるストーリーを
語ってもらうことで、自分を内省し、自分の思い込みや常識の壁の特徴を
可視化します。
次に、身近な自分の当たり前を、職場での当たり前に置き換えて、
同じように思い込みや常識の壁がないかを考えてもらいます。

その後、組織や会社の価値観や固定観念、それを形作ってきた
エピソードについても書き出し、組織の思考の偏りや固定観念を可視化します。

【思考のクセと課題を発見する】
可視化した思い込みや常識の壁、固定観念をもとに、思考のクセをまとめます。
それが自分や組織にマイナスに影響している可能性を議論し、
課題を発見していきます。

【固定観念を打破するツールを学ぶ】
固定観念を打破するために有効なツールの使い方を学びます。
例えば、ブレインストーミング、SCAMPER、ラテラルシンキングなどです。

【これまでの枠にとらわれない目標設定をする】
自分が実現したいこと、会社の将来あるべき姿をこれまでの
常識から外れた視点から考え、既存の枠にとらわれない目標を設定します。

関連記事
関連記事

質問力を磨きコミュニケーション能力を向上させる! 〜 質問力が高い人・ない人の特徴、質問力を上げるトレーニング方法をご紹介 〜

質問力とは、ビジネスに求められるコミュニケーション能力のひとつで、不明点や疑問点などの解消を目指して、相手に問いかける能力のことを指します。近年、この“質問力”の重要性が増しています。このコラムでは、仕事のなかで必要となる質問をする力や、その質問力の高め方について解説します。

Read More »

【具体例あり】問題解決能力とは 〜高い人・低い人の特徴、身につけ方、鍛え方をわかりやすく解説〜

問題解決能力とは、問題を把握し、その原因を分析、対策を考え、その対策を実行する能力のことをいいます。今回のコラムでは、ビジネスパーソンとしての視点にフォーカスし、問題解決能力とは何か?仕事のなかで必要とされる問題解決能力、問題解決能力の高め方などについて解説します。

Read More »

【鍛え方がわかる】どんな仕事でも役に立つ!ロジカルシンキングの基本と実践、フレームワーク【研修事例あり】

この十数年で「ロジカルシンキング」はビジネスパーソンの必須スキルとして完全に認知されるようになりました。しかし、ロジカルシンキングが必要とされるシーンがあまりにも多いため、自分がどこまで出来ているのか、どうすれば向上するのか、よくわかない方がほとんどです。今回のコラムでは、ロジカルシンキングの基本、メリット、向上させるために必要な習慣などを紹介します。

Read More »

アサーティブコミュニケーションとは ~意味や実践法、具体例、職場の人間関係を円滑にする伝え方、研修事例をご紹介~

D&I推進が進み、多様な属性や価値観の人と一緒に働く職場が増えています。そんな多様なメンバーと円滑な人間関係を築くのに役立つのが、アサーティブコミュニケーションスキルです。このコラムでは、その意味や伝え方、具体例、実践方法、アサーティブコミュニケーションスキルを高めるための研修事例をご紹介します。

Read More »

“プレイヤーから脱却できない”リーダーにマネジメント意識を目覚めさせる方法

管理職やチームリーダーのなかには、忙しいときに先頭をきって作業してくれる、メンバーにとっては神様のような存在の人がいます。しかし、そのようなリーダーが上司から良い評価を得ているかといえば、必ずしもそうとは限りません。このコラムのテーマは「プレイヤー気質が抜けないリーダー」です。マネジメント業務を後回しにしてしまうリーダーの傾向と、プレイヤー思考を切り替るために何が必要かを解説します。

Read More »

【管理職育成】部下のモチベーションが上がらない! 〜仕事のモチベーションが下がる理由と対処法〜

仕事へのモチベーションが低下し、仕事に集中できない状態を放置してしまうと、当事者の生産性が落ちるだけでなく、チーム全体の生産性を下げ、チームの雰囲気にも影響します。今回のテーマは、「モチベーション低めの社員への対処法」です。仕事へのモチベーションを落としてしまった彼らに対し、上司やチームリーダーは、どのようなコミュニケーションや指導が必要かを解説します。

Read More »

無料ダウンロード資料で情報収集

貴社名

お名前

Email



時期

Download files 【お役立ち資料】効果的な研修設計のポイント
【お役立ち資料】オンライン研修設計のポイント

【事例紹介】主体性を生み出す研修
【事例紹介】マインドを変える研修
【事例紹介】見え方を変える研修
【事例紹介】若手社員マインドセット研修
【事例紹介】グローバルリーダーマインドセット研修

【事例紹介】女性リーダー研修成功のポイント
【事例紹介】ダイバーシティマネジメント研修

【事例紹介】28歳までにはじめる女性キャリア研修
【事例紹介】女性活躍研修事例紹介5種

【事例紹介】働き方改革推進のための研修事例13種
【お役立ち資料】男性育休の現状とは
【事例紹介】シニアのキャリア自律.をうながす研修
【事例紹介】アンコンシャス・バイアスとは何か
【参考資料】高度外国人材はどんな存在なのか

【事例紹介】世代別キャリア開発成功のポイント
【事例紹介】コーチング研修事例紹介3種
【お役立ち資料】リーダーシップとは何か
【事例紹介】リーダーシップに必要なスキルとは何か
【事例紹介】変革型リーダーシップ研修事例

【事例紹介】言葉の持つ力「ファシリテーション研修」
【事例紹介】褒め方&叱り方を身につける研修
【事例紹介】伝える力と聴く力
【お役立ち資料】日常づかいの1on1対話スキル
【お役立ち資料】日常づかいのアンガーマネジメント

【お役立ち資料】研修で「行動変容」を定着させるには
【お役立ち資料】研修の事前・事後の取り組み紹介
【研修リアルストーリー】プレイバックシアター

 全てダウンロードする