マインドを変える⑥~mustとwillから生まれるモチベーションの活用法~

上の絵は錯視で、うさぎにもアヒルにも見ることができます。
ただし、うさぎとアヒルを同時に見ることは絶対にできません。
人の目は、見ているもの以外の情報を「存在しない」として処理します。

日々の仕事でも同様で、商談や営業メールの情報、新聞やSNSの情報、
研修での情報など、あらゆるインプットの中から知りたい情報だけに注目します。
その情報の選別をするのが「ゴール」です。

人は、自分の決めたゴールにとって重要だと思う情報に注目するようになります。
「目標なんてありません」という人もいますが、その場合、
現状維持がゴールとなっていることがほとんどです。
ですので、現状を維持するために必要な情報を仕入れているはずです。

前回のコラムと繰り返しになりますが、人はゴールを先に決めると、
その達成に必要な情報を収集するようになるのです。

視点を高める目標設定

現状の延長線上にならない目標設定のためには、視点を上げなくてはいけません。
視点を上げるためには、抽象度を上げることが重要です。

日常的な仕事の場面では、自分に関する目標が設定されることが多いです。
「自分は何ができるようになりたい」
「自分はいくら売れるようになりたい」
といった目標です。
これらは非常に重要な目標ですが、マインドを変えるという観点から考えると、
現状を変える原動力にはつながりにくいものです。

自分だけでなく、組織のメンバーや自分の家族、もっと大きく
企業全体や世界にまで広げた目標にすると、自分を含めた、
より視点の高い目標を設定することができます。
視点が高まると、自分だけではなくその周りにも関係する情報に
注意が向くようになります。

モチベーションの2つの種類

目標を設定すると行動につながりますが、以前のコラムでも紹介したように、
自分のコンフォートゾーンから出ようとすると、人は無意識に
それを元に戻そうとする力が働きます。

そこで、目標に向かって行動を変えてほしいときにうまく活用したいのが、
モチベーション(動機付け)です。

モチベーションには以下の2種類があります。

①外発的動機付け(強制的動機付け)
②内発的動機付け(建設的動機付け)

外発的動機付け(強制的動機付け)

mustやhave toから生まれるモチベーションで、
他者から与えられたミッションを達成しようとするときや、
罰を避けようとするときに外発的動機付けが発生します。

この場合、目的はミッションを達成しなかったときに発生するであろう
悪い事象を避けることになり、仕事をすることが手段となります。

これを駄目だと否定するつもりはありません。
身に付けてほしい常識やスキル、起こしてほしくないクレームなど、
最低限達成してほしいことはどの企業でもあります。

ただ、これが日常的になることはよくありません。
人は、「〇〇しなければならない」と思っていると、その強制に対して
無意識に抵抗します。
与えられたミッションをできない理由を探したり、先延ばしにする理由を
探したりします。
そうすると職場で、「なぜやれないんだ」「時間がないからです」のような
不毛な会話が頻出するようになってしまいます。
また、言われた分だけの仕事をするようになり、いつも指示を待つようになります。

自尊心を傷つけることにもつながるため、優秀な人から退職する原因にもなりかねません。

内発的動機付け(建設的動機付け)

willやwant toから生まれるモチベーションで、自分の望みや意欲を原動力に
「〇〇したい」と行動するときに生まれます。

この場合、仕事自体が目的となり、その手段として様々な思考が
生まれていきます。
まさに、「好きこそものの上手なれ」ですね。
内発的動機付けが高い人ほど、その分野における成績に優れることが
明らかにされています。

「〇〇したい」という自分の望みにしたがって行動すると、その人の持つ力を
最大限発揮しようとします。
自分の好きなこと、やりたいことをやっている時には、自分の内側から
どんどんエネルギーが沸いてくることは、経験的に分かっていただけると思います。

日常的な仕事の場面で、すべてをwillやwant toの目標にさせることは難しいですが、
これがないと組織はどんどん硬直マインドセットになっていきます。
一方で、「〇〇したい」だけでは組織運営がうまくいかなくなります。

必要なことは、結果を受け入れる覚悟です。
「〇〇したい」から動いたときに、思うような結果が出ない場合もあります。
自分も上司も、会社組織も、「〇〇したい」から行動したときに、
その結果を受け入れ、それでも自分で立てた大きな目標を達成するために、
次は何をするのかを考えられると、内発的動機付け(建設的動機付け)が
ずっと続いていきます。

willやwant toから目標を立てる研修事例

研修の場で、will、can、mustについて考えることはよくみられる光景です。
今回はその中でも、組織の中で自分がリーダーシップを発揮する場を、
自分でつくり出していくことをねらいとした研修事例を紹介します。

「今の仕事で自分自身を生かすことの重要性とおもしろさ」をみつめ、
社会の当事者として自分という「個」が、組織を超えて「社会」と
どのような関係をつくっていきたいのかを考えることで、
「自分」から「社会」へと視点を高めます。
自ら考え、責任を持って自律的に行動し、リーダーシップを発揮できる人材の育成を
目標とした研修です。

弊社では、個社ごとに完全オーダーメイドで研修をご提案しております。
パートナーとして協力いただいている外部トレーナーが300名以上おり、
個社ごとに合った研修を実施しております。本記事を参考に、
是非自社に合った自律的なキャリア形成を目指すリーダーシップ研修を
実施してみてはいかがでしょうか。

【気づきを促すセッション】
リーダーシップとオーナーシップ、自分のマインドについて、
ワークを多用して学びます。自分で考えたことを言語化してイメージを
具体化する過程を通じて、右脳と左脳の両方を刺激します。

例えば、自分の職務や役割の中でやらなくてはいけないことと、
やらなくてもいいが自分はやりたいと思っていることを書き出し、
「何のためにこの仕事をしているのか」「本当はどうしたいのか」を
自問自答することで、主体的な責任感で仕事に取り組むオーナーシップを
醸成するワークをします。

また、自分のコンフォートゾーンの外側にある課題について、
思い込みで解決できないと信じ込んでいないかを考えるワークを通じて、
認知の歪みを意識し、その境界線を越えて前進するリーダーシップを醸成します。

【思いを明確にするセッション】
自分の目標を決め、新たな行動につなげるように、自分の思いを
具体的に描くセッションです。ここでもワークを多用します。

例えば、仕事に対するやりがいや意義・よろこびを会社の価値や理念・文化と重ね、
自分の仕事が社会にとってどのような価値をもたらしているのかを言語化し、
仕事の「意味づけ」を自分自身でおこないます。

また、行動していない未来の自分と、行動している未来の自分を言語化し、
絵や図のような具体的なイメージを作ることで、行動している自分の映像を明確にし、
新たなコンフォートゾーンを獲得するマインドを醸成します。

【行動につなげるセッション】
主体性を鍛え、日々の行動につなげられるよう、小さな挑戦を決めて
最初のアクションにつなげます。
ここでは、はじめることだけではなく、やめることについても決めます。
また、定期的にフォローすることで、その行動が定着していく手助けもおこないます。

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