DE&Iの「E」とは何か ~ Eが入ることでD&I推進はどう変わる? ~

皆さまは「DE&I」という言葉をご存知ですか?

ここ数年、ダイバーシティ&インクルージョン推進の最先端を進もうとする方々から、
キーワードとして出ていました。
それが今年に入り、多くの企業の人事担当者・D&I推進担当者からも、「DE&I」の話題が出るようになり、いよいよ本格的に広がってきたように感じます。

そこで今回のコラムでは、最近話題の「DE&I」、
ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン
についてご紹介します。

・DE&Iとは何か
・なぜ「E」が重要なのか
・DE&Iに変わることで企業に何が求められるのか
がわかります。

ぜひご参考にしてください。

DE&Iとは ~「D」「E」「I」それぞれの意味~

日本でダイバーシティの考え方が認識され始めたのは、1980年代から1990年代にかけてです。1985年には「男女雇用機会均等法」が制定され、次いで1999年には「男女共同参画社会基本法」が制定されました。

2000年代になると、少子高齢化の予測を背景に、さらにダイバーシティを取り入れる企業が増えました。

つまり、もう40年以上もダイバーシティ&インクルージョンは推進されてきたのです。

そんななか、新たに追加された「E」=「エクイティ」ですが、どんな意味の言葉なのでしょうか。

「D」と「I」の意味とともに、ご紹介します。


「D」=「ダイバーシティ」
ダイバーシティを初めて提言した米国雇用機会均等委員会によると、
ダイバーシティの定義は、「ジェンダー、人種、民族、年齢における違い」のことです。

これが時代とともにどんどん解釈が広がっていき、現在では「個人間の違いすべて」を指すようになっています。

ダイバーシティの種類には、以下のものが挙げられます。

【表層的なもの】
・性別
・年齢
・出身地、国籍
・人種、民族
・価値観
・身体的特徴

【深層的なもの】
・働き方、勤務形態
・ライフスタイル
・コミュニケーションスタイル
・経歴
・教育
・趣味、嗜好
・意見


当たり前ですが、組織には多種多様な人材が所属しています。
この、「組織に多様な人材が集まっている状態」がダイバーシティです。

「I」=「インクルージョン」
企業におけるインクルージョンとは、
「組織内すべての人の考え方・知識・技能・経験などの能力が認められ、活かされている状態」のことです。

組織に多様な人材が集まっている状態は、よいことのように思えますが、逆に壁をつくってしまったり、反目しあったりなど、ダイバーシティのメリットを活かせない場合も多くあります。

そこで、それぞれの個性を認めるだけではなく、多様な個性をどうやってチームの成果として昇華していくのか、というインクルージョンへの挑戦が必要なのです。

「E」=「エクイティ」
エクイティは、日本語で「公正」、または「公平」などと訳されます。
このコラムでは、「公正」に統一します。

「平等」ではないことがポイントです。

「平等」は、誰にでも等しい対応をすることです。
たとえば、私には左利きの友人がいます。
その友人は、左利きは不利だからと、右手も使えるよう矯正されていました。
左利きの人が、左利きのままで参画できる社会が「平等」といえます。

一方で「公正」は、平等に機会が提供されたとしても、何らかの理由でその機会が活用できない場合に、追加の支援や配慮をおこなうことです。

先ほどの例でいうと、左利きの友人は、左手を使いたいのにも関わらず、右利き用の道具しかないことに、よく不便を感じていました。
たとえば学校や職場で左利き用の道具も準備されていたり、どこでも簡単に左利き用の道具が買えたとしたら、それは左利きの友人にとって「公正」といえます。

なぜ「E」が求められているのか

では、なぜ今、企業で「D&I」ではなく「DE&I」が叫ばれているのでしょうか。

こんな事例はご存知ですか。

音楽の世界では、今や当たり前に女性が活躍しています。
ですが、たとえばアメリカのオーケストラでは、1970年代まで男性比率が95%と、超男性社会でした。

音大を卒業する女性は多く、もちろんオーディションには女性も参加できます。
つまり、平等に機会があります。

その結果、オーケストラの男性比率が95%ですから、男性の方が女性よりも優れているようにも思えますよね。

ですがあるとき、オーディション会場にスクリーンを置き、誰が楽器を奏でているのか分からなくしてオーディションをおこないました。

すると、女性の合格率が50%も上がり、今やオーケストラの女性比率は約40%となっています。

人は、視覚の影響を大きく受けます。
この事例では、視覚情報として演奏者が「男性」だと認識された段階で、評価に下駄が履かされていたということです。
これでは「公正」とはいえませんよね。


実際に男女平等だと考え、男女平等に評価をしていたつもりであっても、自分や社会がもつステレオタイプの影響から逃れることは困難です。

40年以上もダイバーシティ&インクルージョン推進の取り組みがおこなわれてきたおかげで、男女平等をはじめ、差別をせず、個性を認めあうことは、当たり前に根づいています。

ですが、実際に事実情報を調べてみると、「公正」でないことはたくさんあります。

たとえば、

・育児休暇を取るほとんどの社員が女性なのにも関わらず、育児から復帰したときに、
 研修などのフォローが十分に用意されていない
・障がい者の社員に対して、限定的なキャリアしか選択肢がないかのように
 無意識に誘導している

のような、比較的気づきやすいこともあれば、

・これまでの実績や評価には差がないようにみえるのに、管理職への推薦は
 男性のほうがされやすい
・無意識に、男性社員へ重要な仕事や役割、お客様を割り振っている
・測ってみたら、男性よりも女性の方が研修に参加している総時間が少ない

のように、よくよく調べて初めて気づくことができる事実もあります。


ダイバーシティ&インクルージョンが推進されてきましたが、いまだ日本ではジェンダー
ギャップ指数が低いですし、雇用機会や賃金のジェンダー格差も実在しています。

つい先日、岸田内閣が、大企業に対して「男女の賃金格差」の情報開示を義務づけると
発表していました。

男女平等に異論をとなえる方はほとんどいないと思います。

ですが、実際はどこかに「公正」ではないことが潜んでいるからこそ、
現状があるといえます。
これは、ジェンダーダイバーシティに限った話ではありません。

「公正」が担保されて初めて、多様な個性をもつ個人が同じスタートラインに立つことができます。そしてそれは、組織の生産性をさらに向上させることにつながるはずです。

だからこそ今、「E」=「エクイティ」が注目されているのです。

DE&Iになることで何が変わるのか

D&IがDE&Iに変わることで、人事に対して最も求められることは、「データ活用」です。
なぜなら、“計測できないものは修正できない”からです。

「自分は差別している」と自覚している人は少ないですし、「個性なんて重要ではないと思っている」という人もほとんどいないでしょう。

ですが、オーケストラの事例からもわかるように、人は、無意識にステレオタイプの影響を受けてしまうのです。そして、その影響から逃れることは極めて困難です。

だからこそ、データを活用して、客観的な事実をもとに話をすることが重要です。

たとえばグーグルでは、人事部門を「ピープル・オペレーションズ部門」と名付け、
人事上の決定にデータを活用しています。

今、ありがたいことにピープル・アナリティクスやタレントマネジメントなど、
人事データを収集・分析するシステムはたくさんあります。

人事部には今後、社内にちらばる「人」に関するデータをうまく活用して、DE&I推進をはじめ、多くの人事施策につなげることが求められるでしょう。

弊社は、人事の方と一緒に課題を考え、必要な人材育成研修をフルカスタマイズで設計しています。また、データ活用研修の事例もございます。

こちらからお気軽にお問い合わせいただけます!

DE&Iに取り組んでいる企業の事例紹介

実際に、企業ではどんなDE&I推進の取り組みをおこなっているのでしょうか。

ここでは、パナソニック コネクト株式会社の取り組みをご紹介します。
※参考サイトはこちら
※パナソニック コネクト株式会社のDE&Iサイトはこちら


パナソニック コネクト社でのDE&I推進の取り組みは、
「マインドセット改革」
「ジェンダーギャップ解消」
「LGBTQ」
「事業場自走」
の4つで構成されています。

マインドセット改革」では、“DEIフォーラム”を2017年度から社内で開催。
さらに、国際女性デーのイベント参加、女性の健康課題の啓蒙、マジョリティ層への勉強会、社外向けウェブサイトの開設などをおこなっています。

ジェンダーギャップ解消」では、アンコンシャスバイアスについての啓蒙活動のほか、
男性育休100%宣言や、キャリアストレッチセミナーなど、女性基幹職の比率を2035年に30%にするための取り組みを実施しています。

LGBTQ」への取り組みでは、LGBTの人たちの活動を支援する「アライ」や、ACCJやFamieeへの賛同、東京レインボープライドへの協賛などおこなっています。

最後に、「事業場自走」の取り組みでは、事業部長や事業部メンバーとの対話をおこなうDEIキャラバン、事業場へのDEI Champ(推進リーダー)の設置、DEI ChampによるコミュニティであるChamp Caféの設置などを実施しています。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

今回のコラムでは、最近話題の「DE&I」についてご紹介しまいた。。

 

弊社は、2008年の創業以来ずっと、人材育成研修を通じて、企業の「D&I推進」あらため「DE&I推進」を応援してきました。経験も豊富で、多様な切り口で、皆さまの「DE&I推進」のお手伝いをすることが可能です。

 

弊社では、個社ごとに完全オーダーメイドで研修をご提案しております。
パートナーとして協力いただいている外部トレーナーが400名以上おり、
個社ごとに合った研修をプロデュースしております。

DE&I推進研修のバリエーションも豊富です。
是非自社の目的や課題に合った研修を実施してみてはいかがでしょうか。

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