次世代リーダーに必要な目標達成のための課題設定力とは

以前のコラムで紹介したように、
目標設定をおこなうことは、高いモチベーションを維持するために重要です。

入社当初は知識やビジネススキルに差がなかったはずの同期が、
気が付いたら高い成果を出していることがあります。
そして、もう追いつけないほどの差がついていた、なんていうことも珍しくありません。

上記コラムでは目標設定のコツにも触れていますが、
そうやって同じように目標設定をしても、いつも間にかできる人とできない人とで
差がついてきてしまいます。

知識やビジネススキルに大きな差がないはず。
同じ場所で同じ時間で同じような仕事をしていて、どうしてこのような差が
生じるのでしょうか。

目標を達成できるのはどんな人か

1968年にアメリカの心理学者エドウィン・ロックによって提唱された
「目標設定理論」によると、目標を設定する際、何を重視するか、
によって人やチームの成長スピードが変わってくると言われています。

そして、目標に対する捉え方には、以下の3つのタイプがあるといわれています。

・結果目標を重視するタイプ(結果目標型)
・やらされタイプ(流され型)
・課題目標を重視するタイプ(課題目標型)

やらされタイプは、仕事に対してやらされ気味の傾向がうかがえるタイプですので、
ここでは触れません。

課題目標を重視するタイプと結果目標を重視するタイプについて
詳しく説明していきます。

結果目標を重視するタイプとは

結果目標型の人は、仕事の結果、周囲からの評価、他者との比較に
意識が向きがちです。
ですので、勝つことがよいことで、負けることは恥ずかしいこと、
という思考になりがちです。
このような思考になると、失敗やミスといった、低評価につながることは
避けたいという心理が働きます。
つまり、チャレンジ精神が失われ、無難な選択をしがちになるのです。
チャレンジなしの成功はありません。ですので、結果は重視するけれども
思うような結果が得られない、という悩ましい状況にぶつかりやすくなります。

少し厳しい言い方になりますが、結果目標型の人は自己防衛心が強く働きやすいため、
自分の評価がさがらず、また自分が傷つかないようなチャレンジしかしません。
このような心理状態が継続すると、消極的、受動的な硬直マインドセットの
パーソナリティ形成につながってしまいます。

課題目標を重視するタイプとは

ビジネスだけではなく、スポーツなどにおいて目標を達成する、
つまり成功するビジネスパーソンやアスリートの多くが、
課題目標型のタイプであるといわれています。

課題目標型の人の比較対象は、「過去の自分」となります。
このタイプの人が重視するのは、結果に至るまでの自分自身の頑張りや
努力の度合いです。
つまり、どの程度成長したか、という視点で物事を捉える、
成長マインドセットの人です。

ミス、失敗、負けることは恥ずかしいことではなく、
自分を成長させてくれるための気づきを与えてくれる経験であると認識しています。
弊社では、修羅場を乗り越える土台ができている人、と表現しています。

課題目標型の思考は、結果は努力した後についてくるもの、というものです。
結果を追求しつつも、それは充実したプロセスを経たから得られるものだと
考えています。

失敗やミスをしても、それを受け入れるだけの度量が形成されることに
つながりますので、いわゆる器の大きな人間と評されるようになると考えられます。

目標設定の際の留意点

個人や部署、チーム、に対して、目標設定をする際によくあるのが
「売上全国1位」「女性管理職比率〇〇%」といった、結果目標の設定です。
これはもちろん重要な目標設定ですが、
結果目標の設定=目標設定と捉えてしまうケースがみられます。

目標設定で大事なことは、結果目標を達成するためには、課題目標を設定し、
それを実行する必要がある、ということです。

結果目標よりも課題目標を重視すべきであるとはいっても、
これら2つは表裏一体の関係にあります。
例えば「男性の育児休暇取得率100%」という結果目標を掲げたら、
それを達成するためには、どのような制度が必要なのか、育休取得者のマインドを
変えるのには何が必要なのか、といった取り組み内容を検討することによって、
結果目標を課題目標に置き換える必要があるのです。

マンダラートを使って目標設定する

大リーグのエンゼルスで大活躍中の、二刀流のメジャーリーガー、
大谷翔平選手も使っていたことで話題になった目標設定シートに、
マンダラート(マンダラチャート)と言われるものがあります。
一度はみたことがある方もいるのではないでしょうか。

結果重視型の思考を改善したい場合に、「マジカルナンバー7±2」を利用する
という手法が、このマンダラートです。

この手法は、人が一度に覚えられる短期記憶は7±2個程度である
という考え方を応用した目標設定の手法で、1956年にアメリカの心理学者
ジョージ・ミラーが提唱したものです。

この手法は以下の通りです。

①縦・横それぞれ3マスのマトリックスを9つ描き、
真ん中のマトリックスの中央のボックスに最終目標を記入する。
②その最終目標を達成するために必要と思われる8つの下位目標をイメージし、
上記①のボックスを取り囲む8つのボックスに記入する。
③上記②の8つの下位目標を達成するためにやり遂げるべき
プロセス目標(取り組み内容)をイメージし、中央のマトリックスを取り囲む
8つのマトリックスに記入する。

この目標設定シートを活用することで、結果目標を達成するために必要な
プロセス目標が明らかになります。
もちろんいきなりすべてを実行しようとするのではなく、
優先順位を決めてひとつひとつ取り組んでいくことが重要です。

やるべき課題が決まったら、ミスや失敗を恐れず、チャレンジしていきます。

次世代リーダーに必要な課題設定力強化研修事例

課題目標を具体化させる研修には、目標設定についての研修ももちろんありますが、
次世代リーダーが自律的に課題を設定し、周囲を巻き込んで解決していく
マインドセットと、そのための技能習得を目指す研修の導入が増えてきています。

課題目標型の思考は、会社を導くリーダーにも求められているものです。

弊社では、個社ごとに完全オーダーメイドで研修をご提案しております。
パートナーとして協力いただいている外部トレーナーが300名以上おり、
個社ごとに合った研修を実施しております。本記事を参考に、是非自社に合った
課題目標型人材育成研修を実施してみてはいかがでしょうか。

 

■研修事例

1)【課題解決の枠組みとフレームワーク】
受講者自らが手を動かし、頭をつかう演習を多用し、
課題設定と課題解決のプロセスをロジカルに考えるスキルを習得します。
PESTや3C分析、ビジネスモデルキャンパスを作成するワークなどをおこない、
仕事の価値を生み出すプロセスを理解します。

2)【10年後を考える】
このセッションでも個人ワーク、グループワークを多用し、
右脳も左脳も活性化させます。
自社や業界の10年後を文書化すると同時に、10年後を実現するアイディアを
出し合いプレゼンします。
その過程で、ミスや失敗を恐れないマインドセットを形成していきます。

3)【アイディアを精緻化する】
マンダラートやブレインライティングなどのワークを通じて、
アイディアを拡げ、精緻にしていきます。
この過程で課題目標型へのマインドに変えていくとともに、
日常の仕事に落とし込むことで、行動変容にもつなげていきます。

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