プロジェクトマネジメントを実践し自分とチームを成長させよう

プロジェクトマネジメントと聞いて、どんなイメージをお持ちでしょうか?
とても難しくて大変そう、やる事が細かくて面倒、大きな仕事で必要なものだから
自分には関係ないなど、とにかく自分には難易度や敷居が高いものと思われている人も
少なくないと思います。

実際、プロジェクトマネジメントを実行するプロジェクトリーダー
プロジェクトマネジャーと呼ばれる人は、業務に詳しい人や経験豊富な人が
担当している場合も多く、レベルの高い役割であると感じられます。

しかし、プロジェクトマネジャーでなくても、プロジェクトマネジメントの
基本をしっかり理解しておくと、普段の仕事や会社での人間関係など
あらゆるところで役に立ちます。

なぜなら会社は大きな目的を持って動いている集団であり、それはそのまま
ひとつのプロジェクトチームと言え、日々の仕事においてもプロジェクトと
呼べるものがいくつもあるからです。

つまり、プロジェクトを成功に導くプロジェクトマネジメントを学ぶことは、
自身やチームの成長に必要な意識や振る舞いを学ぶことと言っても
言い過ぎではありません。

今日は、そんなちょっと敷居は高そうでも、知っておけば必ず役に立つ
プロジェクトマネジメントについて解説します。

プロジェクトマネジメントとは 〜プロジェクトと普段の仕事の違いは?~

プロジェクトマネジメントとは具体的に何をどうする事なのでしょうか?
プロジェクトマネジメントは「プロジェクト管理」と言われる事もあります。
この言葉のとおり“プロジェクト”を“管理”するということはわかりますが、では、
このプロジェクトとはどんな仕事を指すのでしょうか?

プロジェクトマネジメントにおける世界的に有名な資格とPMBOKについて
プロジェクトについて解説する前に、プロジェクトマネジメントの資格について
少し説明します。

プロジェクトマネジメントにはPMP(Project Management Professional)という
世界中で認識されている資格があります。
その資格を運営する団体(PMI)では、プロジェクトマネジメントにおける役割や
各場面でのやるべき事を細かく整理したPMBOK(Project Management Body Of Knowledge)、
プロジェクトマネジメント知識体系と呼ばれるものを作成しています。

これは簡単に言えば、プロジェクトマネジメントにおける指南書、解説書といったものです。
PMPの資格取得にはこのPMBOKをしっかり勉強する必要があります。

プロジェクトとは?普段の仕事と何が違うのか?
このPMBOKの中で、プロジェクトは以下のように定義されています。

・プロジェクトとは「有期性」と「独自性」を持つ取り組み

「有期性」とはその仕事や取り組みに期限があるということです。
そして「独自性」とはその仕事の中でこれまでやったことがない
初めての要素があるということです。

つまり「プロジェクト」とは、
「ある一定の期間を設定しておこなう日常の業務ではやったことがない
初めての取り組みが含まれている仕事」ということです。

例えば、これまでの経験を活かして新しい商品を開発する、
これとは逆に日常業務で使っているシステムを新しいものに作り替える、
どちらもこれまでの経験を踏襲する部分はあるものの、新しい要素が含まれています。
そしていつまでに実施するという期日を設定し取り組むのであれば、
この二つの仕事はどちらもプロジェクトと呼べます。

ここでイメージしてみてください。
初めてやるものでかつ期限がある仕事、これを行き当たりばったりで取り組むと
最終的にどうなるでしょうか?

おそらくその仕事は終わらないまま期日をオーバーしてしまう、
初めての事でやり方がわからずに、仕事自体が頓挫してしまうことも想像できます。

そしてこういったことは、システム開発などの現場では、
現実に今でも多かれ少なかれ起きています。
「いざ始めてみたら、必要な機材を買うために倍の予算が掛かることがわかりました!」
「去年のうちにやろうと思っていた取り組みが、その前の仕事が終わらないので、
まだスタートすら出来ていません!」
「とりあえず仕事は終わったのですが、その成果物を見てみると間違いばかりで、
とても使い物になりません!」
こんなことにならないように、そのプロジェクトの始まりから終わりまでをしっかり管理し、
プロジェクトの状態をコントロールすることがプロジェクトマネジメントです。

プロジェクトを成功に導くマネジメントとは

プロジェクトはその状態の管理を怠ると失敗します。
そのために適切なマネジメントが必要になりますが、この“マネジメント”とは
具体的に誰がどんな事をおこなう事でしょうか?

マネジメントの目的はQCDのコントロール
まず、プロジェクトの状態の良し悪しは何をもって判断するのかを明確にする必要があります。
この判断が出来ないと、何か問題が生じていても「とりあえず大丈夫なのかな?」
と見過ごしてしまう事にもなりかねません。

このプロジェクトの状態を判断する項目として「QCD」と呼ばれるものがあります。
QはQuality(品質)、CはCost(コスト)、DはDelivery(納期)と
それぞれの頭文字をとってQCDです。

品質は良好か?コストは予算内か?納期を超過していないか?
これらQCDをプロジェクトの最終的な状態で判断するのではなく、その途中途中で把握、
良し悪しを判断し適宜対応する事がマネジメントです。

例えば、42.195kmのフルマラソンを3時間で完走しよう思っているのに、
半分の21km時点で、右足の靴が脱げてしまい、そのせいで体力はすでに限界、
時間もすでに2時間近く掛かっている。もしもこんな状態だとしたら、
目標の3時間でゴールするのはもう絶望的です。こうなる前に靴は脱げた時点で探すべきですし、
ペースと時間配分は必要に応じて調整しながら走らないといけません。

特に仕事では自分以外の多くの人が関わりますし、問題への対処もより複雑になります。
プロジェクトを成功に導くためのゴールまでの道のりはとても厳しいからこそ、
想定外アクシデントやペース配分の調整をおこなう適切なマネジメントが必要となります。

プロジェクトを成功に導くマネジメント(その1) 計画書の作成
プロジェクトを始める時には、目的は何か?誰が何を担当するのか?いつまでにやるのか?
といった内容を文書化し、そのプロジェクトに携わるメンバーで共有する必要があります。

例えば、10人で3ヶ月掛かるプロジェクトに対して、メンバーが5人しか決まっていない、
要件もまだ決まっていない事項が多数、そんな状況であればそのプロジェクトは
開始してもすぐに破綻してしまいます。そういった綻びはプロジェクト開始前に潰しておきます。

またこれを文書化することで、関係者間での思い違いなども防ぐことが出来ます。
「聞いていた話と違うよ」とか「そんなことは言ったかなぁ?」といった事態は避けたいものです。

プロジェクトを成功に導くマネジメント(その2) コミュニケーションの充実
前述のプロジェクト計画書を関係者で共有することはもちろんですが、
プロジェクトが進んでいる最中も関係者間でのコミュニケーションはとても重要になります。
プロジェクトマネジメントでは、そのプロジェクトに対して利害関係にある人を
総称してステークホルダーと呼びます。

例えば、プロジェクトメンバー、プロジェクトの承認者となる会社の役員、
外注先の会社、クライアントなど、これらは全てステークホルダーです。

一緒に作業をするメンバーとは普段から話が出来ていても、ステークホルダー間での
コミュニケーションが不足すると、プロジェクト終盤の大詰めになって
お互いに認識違いがあった事に気づく場合もあります。

こういった事態にならないため、何か起きた際は適宜話し合えるような
チームの雰囲気作りや、ステークホルダー間でも話ができる定期的な会議を
設定する必要があります。
「今忙しいから、そのプロジェクトの結果だけ教えて」と言ってくる人がいたら、
注意した方が良いかもしれません。

プロジェクトを成功に導くマネジメント(その3) リスク・問題の見える化
プロジェクトにはどうしてもやってみないとわからないものや、プロジェクト期間を
多く取るために未確定事項があってもプロジェクトをスタートするケースがよくあります。
そのため、どんなプロジェクトにも想定外事態が起こるリスクが少なからずあるものです。

こうしたリスクは事前に整理しておくことで、いざその問題に直面したときに
スムーズな対処ができます。また、起きてしまった問題についても、管理表などに明記し、
関係者と共有することで、問題が放置されることの防止になったり、
類似する問題の早期発見につながります。
旅行先で忘れ物に気づいた時、大抵の場合は近くのコンビニに行けば、
そこで事なきを得られますが、プロジェクトの場合は、気づいた時はもう手遅れ、
上司や関係者に謝罪して計画から見直すようなことにもつながりかねません。

プロジェクトを成功に導くマネジメント(その4) 進捗状況の定期確認
プロジェクトの計画段階で定めたスケジュールどおりに進めるためには、
その途中でも各作業が予定通りに終わっているかを把握しておかなければなりません。
前段階の作業が予定より1週間超過したら、後続の作業を予定より1週間早く終わらせないと
最終的な期限に間に合いません。

プロジェクトマネジメントではWBS(Work Breakdown Structure)という
各工程の作業を要素分解するツールがあります。

このWBSをそのまま詳細スケジュールに転用し、細かい単位で作業が終わったか否かを
管理します。
夏休みの最終日になって「やばい、余裕だと思っていたのに、このままではどう頑張っても
夏休みの宿題が終わらない!」。
もしかすると、この経験が人生で最初のプロジェクトマネジメント失敗例かもしれませんね。

プロジェクトを成功に導くマネジメント(その5) 振り返り
プロジェクトが終わった際、そのプロジェクト関係者で今回のプロジェクトを振り返りながら、
良かった事、悪かった事、見えてきた課題を今後どう改善するかなどについて話し合います。
今回のプロジェクトはもう終わってしまったので、その結果を変えることは出来ませんが、
今回の教訓を次回に活かすことはできます。

振り返りのやり方にはいろいろありますが、KPT(Keep・Problem・Try)という枠組みで、
次回も継続したい事・改善したい問題・挑戦したい事をテーマに話し合うと
良い振り返りができます。

プロジェクトを成功に導くマネジメント(その6) 役割を越えた主体的な関わり
これまでプロジェクトマネジメントとして実施すべき、計画書の作成、コミュニケーション、
リスク・問題のみえる化、進捗確認、振り返りについて説明しました。

これらを主体的かつ責任を持っておこなう人はプロジェクトリーダーです。
プロジェクトリーダーがマネジメントを怠れば、各作業担当者がしっかり役割を遂行したとしても、
足並みが揃わなかったり、問題の発見が遅れたりします。

また、プロジェクトリーダー一人が頑張ればプロジェクトが必ず成功するというわけでも
ありません。
プロジェクトリーダーも人間なので複数のことを一度にはできません。
そんな時、各メンバーの役割を越えた協力がとても大切になってきます。
プロジェクトに関わるメンバーが与えられた役割に留まらず
サブリーダーくらいの気持ちで全体を見ているチームは、
作業の見落としや勘違いも少なく、プロジェクトの成功確率が上がります。

プロジェクトマネジメントは自分マネジメント
プロジェクトとして意識していない普段の仕事の中にも初めて経験するものがあり、
各作業には期限があります。
また仕事には上司や同僚、クライアントなど多くの人が関わっており、
その中で自身もチームの一員として行動する事が求められます。

そして普段の仕事でも、段取りを整理し計画を立てる、周りの人たちとの
コミュニケーションを充実させる、トラブルを予測し対策を考えておく、
期限までに終わるかどうか進捗度を確認しながら進めるなど、
プロジェクトマネジメントのように取り組むことができれば、
間違いなく自分自身やチームの成長にも繋がる大きな成果を得ることができます。

プロジェクトマネジメント研修事例紹介

ここからは、弊社で実際に実施したプロジェクトマネジメント研修の事例をご紹介します。
総合演習も含めた2日間の研修事例です。

【研修事例】
テーマ:
プロジェクトマネジメント
ねらい:
・プロジェクトマネジメントの基本と、プロジェクトリーダーとして役割を理解し、
今後、自らが関わるプロジェクトで、成功へと導くために必要な振る舞いを習得する。
内容:
① オリエンテーション
オリエンテーション
トレーナーと受講者間でプロジェクトマネジメントの全体感や実践する際に
むずかしい点などについて話してもらい、これから始まる研修で各自が
プロジェクトマネジメントの何を重点的に学ぶべきかを意識してもらいます。

② プロジェクトマネジメントの全体像
PMBOKガイドに則ってプロジェクトマネジメントの基本事項の解説、
成功するプロジェクトと失敗するプロジェクトのそれぞれの傾向など、
プロジェクトマネジメントの勘所について学習します。

③ プロジェクトリーダーが成果を創出するためのポイント
プロジェクトを成功に導くために必要なプロジェクトリーダーの振る舞い、
プロジェクトチームのあり方について7つのポイントにわけて解説します。
(1)全体像の掌握~共有
(2)オープンコミュニケーション
(3)自走するプロジェクトチーム
(4)障害を取り除く
(5)確実なる前進!
(6)自信をつけさせる
(7)Next Actionを明らかにする

④ 総合演習
これまで学習した内容について、より実践のイメージを持つために
疑似プロジェクト演習をおこないます。
ここで想定するプロジェクトの問題について、どんな管理を行えば
問題を解決したり、問題そのものを発生させないようにできるかを考えることで、
プロジェクトが成功するために何が必要かをより明確に認識します。

⑤ 計画をまとめ、チェックする
プロジェクトで得た経験を次回に活かすため、
プロジェクト終結時におこなう「振り返り」のやり方を解説します。

このやり方が実際の仕事でもそのまま活用できることを
体感できるワークとなっています。

弊社では、個社ごとに完全オーダーメイドで研修をご提案しております。
パートナーとして協力いただいている外部トレーナーが400名以上おり、
個社ごとに合った研修をプロデュースしております。
プロジェクトマネジメント研修のバリエーションも豊富です。
本記事を参考に、是非自社の目的や課題に合った研修を実施してみてはいかがでしょうか。

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