困難に負けない「折れない心」を持つための『レジリエンス』ってなに?

普段、マインドセット領域でのご相談をいただくことが多い弊社ですが、
最近はあらためてレジリエンスについてお問い合わせをいただくことが増えてきました。

困難な状況や失敗したときなど、ストレスが大きくかかるシーンで、
すぐに諦めてしまったり、見て見ぬふりをしてしまうことは、
誰もがあるのではないでしょうか。

もっとチャレンジしてほしい、ピンチをチャンスに変えてほしいという言葉が、
経営層や管理職層の方からよく出てきます。

人間は感情で動きますので、いつでも前向きにチャレンジを
続けられるかといわれると、そうではありません。

ですが、優秀なビジネスパーソンといわれる人は、困難な状況にあたったときに、
その壁を乗り越えようとする傾向が強いです。
また、ストレスがかかったときの回復も早い傾向があります。

このような外的圧力を撥ね返す力を持つ人をレジリエンスが高い人、
と表現することがあります。

今回のコラムでは、そんなレジリエンスについてご紹介し、
具体的な研修事例とともに、レジリエンスを高める方法をお伝えします。

レジリエンスとは何か

レジリエンスとは、「回復力」や「しなやかさ」、「復元力」を意味する英単語です。
もともとは物理学の世界で使われていましたが、近年、
心理学・ビジネス・組織論など幅広い領域で注目を集めています。

似た意味の言葉で、ストレス耐性という言葉が使われています。
ストレス耐性は、ストレスを感じた個人が、受けたストレスに耐えられる程度を
意味しています。

上司や会社からの指示に従って、とにかく一生懸命仕事をすればいい時代であれば、
ストレス耐性が高ければ優秀なビジネスパーソンといえましたが、
新型コロナウイルス感染症の影響により変化のスピードが加速し、
明確な答えが分からない現代では、適応力が高いビジネスパーソンが評価されています。

そこで今、レジリエンスが高い人材に注目が集まっているのです。

人はなぜ諦めるのか

ビジネスは、勝ち負けや成功・失敗が誰の目にも明らかになるという点で、
とてもストレスがかかり、ビジネスパーソンとしての力量が常に試される
過酷な状況であるともいえます。

このような状況で、努力してもうまくいかなかった経験を何度かすると、
「努力してもムダ」という考え方が根づき、前向きな行動をとらなくなります。
このような状態を、心理学では「学習性無力感」と呼んでいます。

学習性無力感の状態が続くと、向上心がなくなったり、仕事で本来の実力が
発揮できなくなるなど、最悪退職にもつながります。

ただし、失敗経験を繰り返すと誰もが諦めやすくなるのかというと、
そう言い切れないことも分かっています。
「マインドセット」の著者、ドゥエックによると、
失敗の原因を自分の「能力や才能の欠如」と考えてしまう人のほうが、
「練習や努力の不足」と考える人よりも無力感が促進されるとされています。

また、他者からの目を気にする「評価懸念」が高い人のほうが、
他者よりも良い成績をとることに重きを置く「成績目標」を持つ人よりも
やる気が低下しやすいともいわれています。

つまり、考え方の違いが、無力感の発生に影響するということです。

簡単に諦めないための技術

レジリエンスは後天的に鍛えることができるとされている能力です。
日々の努力がレジリエンスを高めます。

では、レジリエンスを鍛え、簡単に諦めないようにするためには、
どのような方法があるのでしょうか。
今回はいくつもある方法の中から5つをご紹介いたします。

①自己肯定感を高める
自己肯定感を高めるためには、まず仕事のやり方や結果によって、
自分の人間としての価値が決まるのではないことを十分に認識し、
失敗の原因は才能や能力の欠如にあるという思考パターンを改善する必要があります。

そのうえで、強みはもちろん、弱みも自分らしさだと受け入れることで、
ありのままの自分を肯定することができるようになります。

また、小さなことで十分ですので、たとえば「この仕事を定時までに終わらせる」など
現実的な目標を立て、達成する成功体験を積み重ねることでも
自己肯定感を高めることができます。

②他者(ロールモデル)のマネをする
自分がマネしたいというロールモデルを立てて、マネをすることで、
考え方や行動をどう変えればいいのか具体的なイメージを持つことができます。

また、身近にいるロールモデルの成功体験を観察することで
「自分にもできるかもしれない」と思えるようになりますし、
まずはひとつマネをして実行することで、他者の成功体験を自分の成長に
活かすことができます。

③ABCDE理論を知り、活用する
ABCDEは、アメリカの臨床心理学の権威、アルバート・エリス博士が提唱した
カウンセリング理論です。
悪い思考を自問自答で修正していくもので、感情のコントロールにもつながります。

ABCDEはそれぞれ、
A:Activating Event(出来事や外部からの刺激)
B:Belief(受け止め方、認知、ものの見方)
C:Consequence(感情や行動、結果)
D:Dispute(非合理的なBへの反論、または自問自答)
E:Effect(Dの効果や影響)
です。

出来事(A)に対する受け止め方やものの見方、考え方(B)によって、
感情や行動(C)が起こります。
この時の考え方(B)がネガティブであれば、それによってネガティブな感情が
引き起こされ、行動や結果(C)も非生産的なものにつながります。

そこで、上述の(B)に対する反論(D)をおこなうことで、出来事(A)を
多角的に見られるようになり、適切な感情や行動が生まれ、良い効果(E)につながる、
という考え方です。

この理論を活用することで、思考パターンをポジティブなものに変え、
自分の感情をコントロールできるようになります。

④計画的な問題解決を実行する
問題を解決するための計画を立てて、解決方法を模索します。
「何が良くないのか(問題)」ではなく、「どうすればいいのか(解決)」に
焦点をあてて、初動を具体的に考えられるようになることで、物事に対する
否定的な見方が改善され、行動を変えることができます。

⑤周りを頼る
とても重要なファクターですが、特に日本人は苦手な人が多いようです。
「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」を肝に命じて、同僚や上司、
友人や外部の専門家などにアドバイスを求めます。
一方的に言われる意見には耳を傾けにくいですが、自分からアドバイスを
求めることで相手の意見を受け入れやすくなります。

レジリエンスが高い人の3つの特徴とは

レジリエンスを鍛えることで、どんな人になれるのでしょうか。
レジリエンスが高いといわれる人には大きく3つの特徴があります。

①柔軟性が高い
大きなストレスがかかるビジネスの場面でも、思考に柔軟性を持つことで、
見方を変え、ピンチをチャンスに変えたり、違った側面から物事を考え直すことが
できます。

発想を転換することで、困難な状況にあっても
「自分なら達成できる」「自分は一歩一歩前進している」と思い、
挑戦し続けることにつながります。

②感情をコントロールできる
ストレスがかかる場面では、感情的になりがちです。
また、自分の感情に振り回されてしまうと、そのこと自体も大きなストレスに
なってしまいます。
目の前で起こった出来事に一喜一憂せず、自分の思考や感情をコントロールできると、
気持ちの切り替えが早くなる傾向があります。

③楽観的な視点を持ち、自分自身の本音・感情に気づいて大切にする
他者と比較することなく、自分自身が「今の自分」を認め尊重することで、
楽観的な視点を獲得し、物事を前に進めるための原動力につなげることができます。

自分の強み・弱み・思考や行動の傾向などを把握し、自分の力を
過小評価しないようにすることで、失敗した時も自分の思考や行動を振り返り、
次に活かそうと努力することが重要です。

レジリエンス研修事例紹介

レジリエンスを高めることのメリットには、

・ストレスと上手に付き合えるようになる
・心の健康を保つことができる
・環境の変化に振り回されず成長し続けることができる
・困難な状況でも自らモチベーションをあげられるようになる
・目標達成力が向上する

などが挙げられます。

レジリエンス研修には、主に
若手向けに自分のレジリエンスを高めるためにおこなうものと、
リーダーや管理職向けに、自分だけでなく部下やチームのレジリエンスを高めるために
おこなうものの、2種類があります。

ここでは、前者の若手向けレジリエンス研修の事例をご紹介します。

テーマ:
レジリエンス研修

ねらい:
・思い通りにならないことや困難があっても、“折れない心”で対応できる考え方や
スキルを習得する

学びのポイント:
・ストレスとうまく付き合い、必要以上に落ち込まない方法
・ものごとのとらえ方を変える考え方
・言いにくいことを伝える工夫

内容:
①オリエンテーション
研修のねらいや進め方を確認します。
また、グループ演習が多い研修なので、自己紹介やアイスブレイクを通じて
受講者同士のコミュニケーションを促進します。

②レジリエンスってなに
レジリエンスとストレスについて、それぞれ学びます。
ストレスの主な原因である人間関係については、グループ演習を通じて気づきを与え、
なぜ人間関係で心が折れてしまいそうになるのかを理解します。

③人間関係について理解する
人間関係がうまくいくコツを学びます。
相手に高圧的だと思われないようにするために必要なことやモチベーションを上げる
コミュニケーション、良い関係構築について理解します。
そのために必要なスキルとして、言いにくいことを伝える手法を習得します。

④困難な状況でもモチベーションを上げるには
他者への理解やコミュニケーションスキルの習得だけでは、
レジリエンスを高められません。
レジリエンスが高い人になるために、自分のものの見方を変える、
リフレーミングの手法を習得します。
また、受講者が失敗して自信を失った時を思い起こし、自分を正当に評価し
自分をねぎらうことで、自己理解・自己受容を促進します。
自分と他者の両方を理解することで、レジリエンスを高めることができます。

⑤レジリエンスを高めるコツを身につける
レジリエンスを高めるために日々できることを学び、実際に体験もします。
感情との付き合い方や自分らしさの見つけ方、呼吸や運動の大切さまで
様々な手法を習得します。


弊社では、個社ごとに完全オーダーメイドで研修をご提案しております。
パートナーとして協力いただいている外部トレーナーが400名以上おり、
個社ごとに合った研修をプロデュースしております。
レジリエンス研修のバリエーションも豊富です。
本記事を参考に、是非自社に合った研修を実施してみてはいかがでしょうか。

 

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