新入社員を活躍させるために重要なOJTの役割とは

早いもので、もう9月が終わり、多くの企業では新入社員が入社して半年が経ちます。
皆さまの会社に入社してくれた新入社員は、イキイキと活躍してくれていますか?

せっかく入社してくれた新入社員の方には、早く職場になじんで活躍して
いってほしいですよね。
ですが、新卒新入社員の3年以内の離職率は、ここ10年約30%をキープしており、
厚生労働省が令和2年10月に発表した新卒新入社員の3年以内離職率も32.8%でした。
その中でも1年以内に退職を選択する新入社員は11.4%と、最も多いとされています。

新入社員の獲得には大きなコストと労力がかかっており、
せっかく入社してくれた新入社員が早期離職してしまうことは、
企業にとって大きな損失です。

そして、退職理由の多くが「仕事が合わなかった」「人間関係がよくなかった」
といった、職場環境に起因するものです。

新入社員とリアリティ・ショック

新入社員の早期離職につながる要因としてよく挙げられるのが、
入社前に抱いていたイメージと入社後の現実との違いによる「リアリティ・ショック」です。

約80%の新入社員が「リアリティ・ショック」に悩むと言われており、
この問題は本人にとっても企業にとっても頭の痛い問題になっています。

オープンワーク株式会社が2021年5月に発表した、
入社後のギャップが生じる要因分析によると、
「仕事内容や配属について」
「組織の特徴や社風について」
「成長環境やキャリア開発について」
が大きな要因として挙げられています。

特に「成長環境やキャリア開発について」では、ジョブ型雇用への移行が
言われ始めてはいますが、従来のメンバーシップ型雇用を維持している企業側と、
ジョブ型を意識している新入社員とのキャリア開発に対する意識のズレが
目立ち始めているようです。

そんな入社後のギャップを埋め、リアリティ・ショックを無くしていくために
取られる対策のひとつがOJTです。

OJTとは何か

OJTとは、On the Job Trainingの略で、職場の上司や先輩が、部下や後輩に対して、
実際の仕事を通じて指導し、知識、技能などを身に付けさせる教育方法です。
OJTは新入社員教育で用いられることが多く、経験を通じて学ぶことができるため、
より実践的なノウハウや知識を身につけることができます。

そんなOJTを担当する「OJTリーダー」に求められる役割は大きく3つです。

・仕事としてのコミュニケーションを教える
・仕事への責任感を持たせる
・やる気を高める

【仕事としてのコミュニケーションを教える】
組織はチームで運営していくため、他のメンバーとスムーズに意思疎通が
できるように、報・連・相から教えます。
特に、分からないことがあれば相談できる相手がいることを実感してもらうことは、
新入社員に対して職場への心理的安全性を芽生えさせ、職場になじんでもらうためにも
非常に重要です。

【仕事への責任感を持たせる】
職場内のメンバーやクライアントなどに対して約束を誠実に守り続けることで、
周囲から信用を得られ、次第に重要な仕事を任せられるようになることを教えます。
言われたことに対してしっかりと成果を上げることの重要性を実感してもらいます。

【やる気を高める】
入社後のギャップは誰でもが多少なりとも感じます。入社後すぐに、
自分の働く目的を具体的にイメージできる新入社員はなかなかいません。

自分の仕事がどのように社会に貢献でき、自分を成長させることができるかを伝え、
やる気を高めます。
また、新入社員はさまざまな場面で失敗します。そこでやる気を失わないように
フォローすることも必要です。
そんな時には新入社員の話をさえぎらず、意見に耳を傾けることで、
新入社員に主体性を持たせていくことができます。

新入社員が主体的に働けるために重要なこととは

OJTの目的は、前述したようなOJTリーダーによる育成を通じて、
新入社員を職場に定着させ、早期戦力化し、さらには主体的に働けるようにすることです。

新入社員が主体的に働けるようになるために、次の3つの段階を考える必要があります。

①リアリティ・ショックを受けていて、職場に適応できていない段階
②言われたことをこなし、成果を上げることが仕事だと思って働いている段階
③仕事に対して主体的・積極的・能動的に働けている段階

OJTリーダーは、新入社員がこの3つのどの段階にいるかをよく考えたうえで、
育成する必要があります。

では、この3つの段階を進めて、新入社員を主体的に育成していくために、
何をしなくてはいけないのでしょうか。

最も重要なことが新入社員とのコミュニケーションです。

①から②の段階へ移行をさせたい時には、OJTリーダーが
「今の仕事にどのような意味を感じているか」
「目の前の仕事やお客様や社会にどのような影響を与えているか」
などを自分の言葉で伝えます。
OJTリーダー自身がどのように成長してきたのか体験談を伝えることも有効です。
OJTリーダーが自ら進んで自己開示をすることで、新入社員が相談できる相手だと
認識してくれるようになります。

また、業務に必要な知識やスキルを教え、経験を重ねることで、
「できる」ことを増やし、自分の成長をより具体的にイメージできるようになっていきます。

②の段階を放置すると、仕事やキャリアを会社に依存するようになってしまいます。
そこで②から③の段階へ移行させたいのですが、この時には
「新入社員が望むキャリアの確認をすること」
「新入社員が今後高めていきたい能力について話し合う時間を取ること」
が大切です。

「やりたい」ことについて対話をすることで、組織のリアルと
新入社員のキャリア観をうまく融合させ、主体的に働ける視点を養います。

OJTを成功させるために人事ができることとは

OJTリーダーがOJTを成功させるために人事が支援できることには
どのようなことがあるのでしょうか。

まず1つはコミュニケーション機会の創出です。
日々の業務の中でOJTリーダーが改めて自己開示をして自分の考えや
経験などを伝える場を持とうとしても、気恥ずかしさがあったり、
忙しかったりで難しい場合があります。

OJTリーダーと新入社員が業務から離れて少し落ち着いて話せる場や
1on1ミーティングの場を用意すると、OJTリーダーも話しやすくなります。

また、育成計画書を作成したりコミュニケーションタイプ診断を活用し、
OJTリーダーがコミュニケーションを取る時のサポートをすることも有効です。

もう1つは育成機会の創出です。
OJTリーダーに対して、会社のメッセージを理解してもらい、OJTに対する
姿勢や意識を向上させ、新入社員とのコミュニケーションに必要な
指示の出し方やフィードバックなどのスキルを習得してもらう機会を作ることが重要です。

また、新入社員に向けて業務で必要なスキルを学習する機会だけでなく、
さらに前向きに仕事に取り組んでもらえるよう、キャリア形成支援や
ビジネススキル習得支援の機会を作ることもOJTを成功させるサポートとなり得ます。

OJTリーダー養成研修事例紹介

今回は、OJTリーダーに対して、育成のマインドとスキルを身につけることを
ねらいとした研修事例をご紹介します。

弊社では、個社ごとに完全オーダーメイドで研修をご提案しております。
パートナーとして協力いただいている外部トレーナーが400名以上おり、
個社ごとに合った研修を実施しております。
本記事を参考に、是非自社に合ったOJTリーダー育成研修を
実施してみてはいかがでしょうか。

 

テーマ:

OJTリーダー養成研修

 

ねらい:

OJTリーダーとしての意識・役割を確認した上で、効果的にOJTを実践する

ための考え方・スキルを身につける

 

内容:

①育成の意義を考える

新入社員や若手社員を育成することのメリットをディスカッションします。

若手社員にとっての意義や育成指導者にとっての意義、あるいは会社にとっての

意義をグループワークで意見を出し合い全体で発表します。

育成がもたらす価値を言語化し、興味関心を深めていきます。

 

②育成指導者が持つべき意識とは

持つべき意識の5箇条をもとに自分自身がおこなっている育成の

OKパターンやNGパターンを認識します。

また、組織の文化として浸透している育成のOKパターンやNGパターンにも

あらためて目を向け、組織の文化として意識を改善したほうが良さそうなことを

洗い出します。

 

③信頼関係の構築方法を学ぶ

信頼関係構築に必要とされるコミュニケーションスキルを学びます。

傾聴や、言語・非言語コミュニケーションの種類を知り、

自分自身の育成場面に活用できるようにロールプレイングで身につけます。

 

④動機づけの仕方を体得する

人は何に対して意欲を持つのかをあらためて考えます。

仕事における2つの意味を学び、他者や自身にとっての意味付けや

大切にしていることの違いを理解します。

会社の目的=個人の目的とはなりにくい背景を学び、人の心やビジョンに目を向け、

ケーススタディを通じて、それをつなげる考え方と勘所をつかみます。

 

⑤効果的なフィードバックの仕方

叱るとは何を指すのかを学びます。

叱る際に気をつけることや怒ることとの違いを言語化し、ケーススタディで

理解を深めます。

また、効果的な褒め方の極意を学び現場での実践に備えます。

 

⑥育成ポリシーと行動計画

①~⑤の学びから、育成の上でポリシーとすることを3つ以上書き出します。

また、育成対象者と自身をともに成長させるために、具体的な目標を明確にします。

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