リーダーシップ④ セルフリーダーシップ

皆さんの会社の社員は元気でしょうか。
体調のことではありません。
社会人としてエネルギーに満ちているかどうか、ということです。

マイボイスコム株式会社が2019年7月にインターネットで実施した、
ストレスに関する第7回アンケート調査では、10代~70代のうち70%弱の方が
日常的にストレスを感じている、と回答しています。

そしてストレスを感じる理由として一番多かったものが「仕事内容・労働環境」でした。

弊社が実施する研修の場面でも、受講者の方に
「社会人になってから元気になったか」と聞くことがありますが、
半数以上の方が「元気がなくなった」と答えることがほとんどです。

いつも仕事に追われていたり、やりたいことが見つからないなど、
様々な理由がありますが、これはとてももったいない事態だといえます。

せっかく熱意をもって入社してくれた方が、半年経ち、一年経ち、
どんどん意欲が失われ、愚痴が増えていく光景はよくみられます。

しかし、思い通りにいかないことをつい環境のせいにしてしまいそうな時、
自分が変えられるものに焦点を当ててポジティブに行動できる人もいます。

このような自分自身に対してリーダーシップを発揮し、
自分自身を導くことができる力を「セルフリーダーシップ」といいます。

セルフリーダーシップとは

セルフリーダーシップとは、自らがどのような状態を望むのかを認識し、
望む方向へ成長するために主体的に行動する力のことをいいます。

自分自身を管理し導くことができない人が、他者を動かすことはできません。
リーダーシップとして、最初に取り組まなければならないのは、
実は自分自身に対するリーダーシップの発揮なのです。

自分自身を導き行動し、結果を出す人は、結果的に組織全体を
動かしていく人になります。そうした人たちは、自らリーダーシップを
発揮することを「選択」するものです。

自分が定めた組織としてあるべき姿を描き、組織を正しい方向へ導くことを選択し、
組織内での役職や職務とは関係なくリーダーシップを発揮します。

どのような組織であっても、良いところもあれば悪いところもあります。
セルフリーダーシップを発揮する人は、上司や組織、あるいは市場などの
外的環境が変わるのを待つという「選択」はしません。

「周りが」ではなく、「自分が」変わらなければ何も変わらないことがわかっているのです。

セルフリーダーシップを身に付けるために大切な内省力

セルフリーダーシップを身に付けるためには、タイムマネジメントなどの
仕事の段取り力やレジリエンス力問題解決力などが必要ですが、
中でも大切なものに、「内省(リフレクション)力」があります。

リフレクションとは、自分の行動や状態を「客観的に」振り返ることです。

人は起きた出来事を客観的に把握するのではなく、自分の経験や知識を元に
独自の主観的な解釈を加え、意味づけをおこないます。
そのこと自体を無くすことはできませんが、意味づけが非建設的な思考や
自己否定的な認知につながってしまうと、ネガティブ思考になってしまい、
改善につながりません。

このようなネガティブな思考から抜け出すために必要な力が
内省(リフレクション)力です。

日常の仕事の進め方や考え方などについて、失敗したこと・成功したことを
フラットに振り返り、今後同じような事態に直面した時にどのように対応していくか、
未来志向で考えます。

リフレクションは以下のような3つのステップから成っています。

①何が起きたのかを振り返る
まず、起きた出来事に対して、証拠をさがして事実ベースで振り返り、
自己解釈をしてしまっている部分に気づきます。

②他者や周りの環境を振り返る
次に、その出来事に関わった他者の状況を、反応や感情の動きなどに
注目して振り返ることで、自分の思考パターンに気づくことができ、
悪循環に陥ることを防ぎます。

③自分自身について振り返る
最後に、自分自身の行動を振り返り、本来期待されていたものに対して実際は
どうだったかを考えることで、建設的な発想につなげます。

ポイントは、間違いを探すのではなく、理想と結果の「違い」に気づき、
改善策を練ることです。

このようなリフレクションができるようになると、自分自身への理解が深まり、
客観的に自分を見ることができるようになるだけでなく、仮説・検証する思考が定着し、
成功も失敗も含めて今後につながる建設的な発想が持てるようになります。

セルフリーダーシップを発揮する人のモチベーションコントロール

セルフリーダーシップを発揮し続けるためには、モチベーションを
コントロールすることも重要です。
セルフリーダーシップを発揮する人は、高い目標を設定していますので、
壁にぶつかる可能性も高くなります。

そんな時、過度に落ち込むことがないよう、何をすれば自分のモチベーションを
上げることができるかを知っておくことが必要です。

自分のモチベーションを上げるために必要なことを、段階に分けて、
あらかじめ決めておきます。

たとえば気分転換であれば、映画を観る、ジムで体を動かすといった行動を
決めておきます。
もっと落ち込んだ時には、親友に悩みを相談したり、一人旅をしたり、
さらに落ち込んだ時には、これまでやったことない経験をするなど、
段階的にモチベーションを上げる行動を決めておきます。

また、未来と現状の差を埋めるためにどうするかを考えることも
モチベーション維持につながります。
自分自身が思う最高の自分を描いて現状と比べたり、ロールモデルとなる人を描いて、
その人と自分とを比べたりします。

モチベーションは放置しておくと自然と下がってきてしまうものです。
うまくモチベーションをコントロールできると、セルフリーダーシップを
発揮し続けられるようになります。

内省(リフレクション)研修紹介

セルフリーダーシップを身に付けるために、最近注目されている
内省(リフレクション)力に注目した研修事例を紹介いたします。

【テーマ】
セルフリーダーシップ研修

【ねらい】
・リーダーシップを発揮するために自分自身の特性やモチベーションの源泉を理解する
・個人でリフレクションができるようになり、経験から教訓を導き出す力をつける

【内容】
1)活躍するリーダーとは
今の時代に求められているリーダーシップに必要な要素について考えます。
そのうえで、グループで意見を出し合い、その違いや共通点に着目します。
トレーナーから多様なリーダーシップのあり方について講義を受け、
リーダー像を柔軟に広げます。

2)リーダーシップを発揮するために
自分らしくリーダーシップを発揮するために、自己理解を深めます。
今までの人生におけるモチベーションの浮き沈みを曲線で描き、
変化の時期に起こった出来事やその時の自身の強みや弱みや特徴など
ポイントを抽出します。
自分のモチベーションが変化する要因を列挙し、やる気スイッチの在りかを明確にします。

3)仕事の教訓から学ぶ
事前課題として、先輩や上司に今までの仕事で成果を出したときや失敗を
したときの教訓をインタビューします。
できるだけ具体的にヒアリングし、その教訓が生まれた背景や
その時の本人の心境や想いも聞き出します。
その材料を研修中にグループで共有しあい、教訓の汎用性や有効性に気づきを得ます。

4)経験からの学びを体感する
グループでおこなうミッション達成に向けた指示伝達ゲームなどの演習から、
失敗や成功を経験し、その次のワークに活かす経験学習を体感します。
また、経験学習モデルを学び、教訓の抽出の仕方を理解します。

5)今後に向けて
3ヶ月後、6ヶ月後に発揮したいリーダーシップを言語化します。
そのために、自分自身がどのようなフレームワークに沿ってどのくらいの頻度で
リフレクションをするのかを明確にします。グループメンバーに宣言し
フォロー研修に向けて行動を開始します。

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