【リーダーシップ③-1】リーダーシップを発揮する人が持つべきスキルとは(前編)

前回のコラムでは、リーダーシップを発揮するために必要な
3つの力について紹介しました。

①気づく力
②聞く力
③指し示す力

では、この3つの力を発揮するためには、具体的にどのようなスキル
身に付ける必要があるのでしょうか。

今回のコラムでは、リーダーに必要な具体的なスキルに焦点を当てて紹介します。

気づく力に必要なスキル

まずは、気づく力を醸成できるスキルを、大きく以下の2つに分けて紹介します。

・戦略プランニングスキル
・意思決定に関する思考スキル

それぞれ細かく分解して、具体例とともに紹介していきます。

【戦略プランニングスキル】
~外部環境把握スキル~
自分や自社の強み・弱みを整理したり、製品やサービスの改善に向けた
新たな戦略を立案したりする際には、一度立ち止まって、現状をしっかり見る必要が
あります。

その時には自社がこれまで取り組んできたことに注目するのではなく、
「鳥の視点」で物事を全体的に俯瞰するために、外部環境を把握しなくてはいけません。

例えば、自社で新しいターゲットにサービスを売り込みたい、とする時、
これまでの経験からみえる自社の強みをもとにターゲットを選定してしまうことが
あります。
ですが、戦略は競合他社との相対関係や顧客需要を見て決めるものです。

また、時間軸も重要です。「今」だけをみて考えるのではなく、
環境は常に変化していることを意識し「未来」の市場における戦略を
選択しなくてはいけません。

3C分析やPEST分析など、マクロで環境要因を見るための代表的な
フレームワークを習得することで、外部環境を把握し、
しっかりと自社のポジショニングや現状を見ることができるようになります。

~内部環境把握スキル~
自分や自分が所属する組織の、認知の歪みを認知することも同じくらい重要です。
外部環境を分析できたとしても、内部環境分析がズレていたら意味がありません。

個人も組織も、認知の歪みは当たり前に持っていますので、
「このように見られたい」
「こうであるに違いない」
「こうであるべきだ」
というような考えに囚われ、もっと簡単な方法や別の選択肢が見えなくなりがちです。

例えばそんな時に役立つのが「組織の7S」診断です。
経営資源を3つのハードと4つのソフトから分析し、組織の現状と未来とのギャップを
整理して見ることができます。
この7Sの項目から、自社能力やコア・コンピタンスなどの考えをまとめる手法を
習得することで、自分や自社の能力を冷静に分析できるようになります。

そして、外部環境と内部環境を把握できれば、SWOT分析を活用し大きな方針へと
導くことが可能となります。

このようにして様々なフレームワークを活用することで「気づく力」を醸成し、
従来の考え方や仕事の進め方を論理的・合理的に考え直すことは、
リーダーシップを発揮するための強固な土壌となります。

【意思決定に関する思考スキル】
~概念化思考スキル~
概念化思考スキルとは、コンセプチュアルスキルとも呼ばれ
「情報や知識などの複雑な事象を概念化する」スキルです。

外部環境や内部環境を分析することで得られた
「顧客のニーズ」「自分たちの介在価値」といった情報をもとに物ごとを構造的に捉え、
単純化することで物事の本質や課題を見抜き、適切な解決策を打ち出すことが
できるようになります。
たとえばiRobot「ルンバ」は、誰かが自分に代わって掃除をしてほしいという
「顧客のニーズ」と、ロボットを開発していた「自分たちの介在価値」を
融合したヒット商品として有名ですよね。

また、現状のビジネスモデルや商品・サービスの形にとらわれない
大胆なアイディアが出やすくなるのもメリットのひとつです。
こちらは、スマートフォンとフリーマーケットを融合させた「メルカリ」などが有名です。

聞く力に必要なスキル

次に、聞く力を醸成できるスキルを、大きく以下の2つに分けて紹介します。

チームビルディングスキル
コミュニケーションスキル

それぞれ細かく分解して、具体例とともに紹介していきます。

【チームビルディングスキル】
~緊張を緩和させるスキル~
前回のコラムで紹介したように、納得できない点を明らかにし、
現状の問題点をより明確にするために、「私はこう思う」と発言できることが、
新たな気づきを得るきっかけとなります。

例えば会議の場面で、
「意見がある人はお願いします」
と言ったときに、し~んとしてしまうことがよくあります。
無理やりしゃべってもらおうとすればするほど、促された相手はしゃべらなくなります。

そんな時には、会議の冒頭すぐに全員の口を開かせるために、
気分が軽くなるような話題を振ることが重要です。いわゆる、アイスブレイクです。

「実は」、を付けて自己紹介をしてもらったり、最近あった少しいい話を
紹介するなどが有名です。

日常の場面においても、相手が安心できる場を作るために、表情や姿勢、
視線などを意識して、緊張を緩和させ、発言を促すのに有効です。

~対話を促すスキル~
相手の立場に立って話を聞くためのスキルです。
対話のポイントは「答えを出そうとしない」ことです。
自分が本当は違うと思っていても、一度は相手の意見を受け入れ共感することに
集中すると、答えを押し付けず問いかけることができる環境が醸成されるので、
対話が生まれ、自分も相手も自然と歩み寄ることができるようになっていきます。

【コミュニケーションスキル】
~相手に対して関心を示すスキル~
相手の存在を認め、関心を持って会話をするスキルです。

たとえば
「〇〇さん、今日も朝から元気だね」
「〇〇さん、今日の仕事はどうだった?うまくいったことはあった?」
「〇〇さん、リモート会議の声がいつもより聞きやすいね。何か工夫したの?」
といったように、メンバー一人ひとりに関心を持ち、個別の話題で
相手にそれを伝えるだけで、メンバーは安心して、話をしてくれやすくなります。

~理解傾聴スキル~
自分の意見を言うのではなく、相手に質問をするスキルです。
質問には、オープン・クエスチョンとクローズド・クエスチョンがあり、
特に前者が有効です。

たとえば
「この仕事で結果が出せたのは、なぜだと思いますか?」
「この仕事にはどんな方法で取り組もうと思っていますか?」
「どうやったらこの商談をうまくいかせることができると思いますか?」
というような、WHY、WHAT、HOWの質問がオープン・クエスチョンにあたります。

逆にクローズド・クエスチョンは、
「この仕事は売上に繋がりましたか?」
「こんな方法で仕事を進めるべきではないでしょうか?」
「この商談を成功させるための手法は考えられていますか?」
というような、YES/NOで答えるような質問です。

オープン・クエスチョンのような、相手が自由に話すことができる質問を
投げかけることで、会話が広がり、相手の考えを知ることができます。

後編に続く・・・・

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