研修デザイン入門①~研修企画で大切なことは何か~

弊社は人材育成組織開発のお手伝いをしている会社です。
外部のトレーナーと協力し、最上志向なお客様の人材開発ニーズに
完全オーダーメイドで対応し、ベストフィットなソリューションを
プロデュースしています。

プロデュースしている人材開発ソリューションの中でも、
弊社が最も得意としているのが、人材育成研修です。

このシリーズでは、企業の教育担当者が効果性の高い研修設計を実現できるよう、
弊社がこれまでデザインして培ってきたノウハウをご紹介します。

効果のない研修プログラムになる原因とは

せっかく研修を企画・実施したのに一生懸命なのは研修企画側だけだった、
なんていうことはないでしょうか。
企業の教育担当者を悩ませる大きな問題のひとつに、
「研修を実施しても目にみえる効果が表れず、受講者やその上司から
意味がなかったと思われてしまう」
ことがあるのではないでしょうか。

研修における費用対効果を定量的に測ることは難しく、だからこそ受講者や
その上司に「効果のない研修だった」と評価されてしまうとその影響は大きく、
教育担当者にとっては大きな痛手となってしまいます。

そんな評価を避けるためにも、何故効果のない研修プログラム
なってしまうかを知ることは非常に重要です。

さて、効果のない研修プログラムの原因はどこにあるのでしょうか。
多くの場合、研修というと「どのような内容で研修を実施するか」だけに
注目されがちです。

しかし、ウェストミシガン大学のロバート・ブリンカーホフ教授の研究では、
効果のない研修プログラムの原因と比重を以下のようにまとめています。

・上司の理解・支援、本人のレディネスなど(研修前準備)・・・40%
・プログラムの仕事との関連、双方向型かどうかなど(研修内容)・・・20%
・受講後の評価・追いかけ、実務での活用機会など(研修後)・・・40%

一般的に最も重要だと思われがちな「研修内容」が研修全体に与える影響は、
20%にしか過ぎないといわれています。
実際は、研修前の準備、研修後の振り返りのほうが重要なのです。

また、研修内容だけではなく、研修前と研修後も含めて設計することで、
PDCAサイクルを回し続けることができるようにもなります。

研修は何のために実施されるのか

同僚や他社の教育担当者から、とある研修やトレーナーをおすすめされて、
事前に内容を確認したうえで研修を実施したのに、受講者の反応が良くなく、
アンケート結果も芳しくなかった、ということが往々にしてあります。

そもそも研修は、受講者にとって必要だと思うことや喜んでもらえそうなことを
おこなえばいいというものではありません。
「誰に対して研修をおこなうか」、「どんな研修を実施するか」、
から考えて研修を実施すると、失敗する確率が高くなってしまいます。

研修とは、中期経営計画や組織戦略、求める人物像などから求めるゴールを設定して、
なぜその研修なのか、から考える必要があります。

現在、会社が置かれている状況や、組織の人的課題や問題を解決するために
実施するのが研修です。
問題というのは目標と現状のギャップのことです。

たとえば
「仕事が多くてタスク管理ができない」
「上司と部下とのコミュニケーションがうまくかみ合わない」
など日々現場で働いている受講者の不安や課題と、企業が目標とする人材像などを
合わせて、双方の問題を解決するための研修を企画して初めて、
会社と受講者から喜ばれるようになります。

問題を解決するために研修を実施しますので、
研修では「わかる」で終わるのではなく、「できる」レベルまで受講者を
到達させることが目標です。

そのためには企業のことはもちろん、受講者の現状も理解し、
目標を決めることが重要です。
受講者の属性、仕事内容、勤続年数などの基本情報に加え、習得しているスキルや
意識レベル、モチベーション、現状抱えている課題など、受講者のことを
理解するからこそ、適切な目標を設定できます。

どのような目標を立てるにせよ、この目標と現状のギャップがみえないと
効果的な研修設計はできません。
受講者が研修に参加した後、どのような状態になっているかを具体的に
イメージできるような研修ゴールを設定することがポイントです。

研修設計に大切な目的とゴール

受講者に意味がないといわれない研修にするためには、「目的」と「ゴール」を
設定することが必須です。

目的は、「なぜこの研修を実施するのか」という問いから言語化します。
ゴールは、「研修後、受講者にどのような状態になってほしいのか、
またその達成状況はどの程度か」を知識、スキル、マインドの観点から明文化します。

そうすることで、研修企画の土台ができ、研修設計・実施にブレがなくなり、
研修実施後の適切な評価にもつながります。

このように研修の目的・ゴールを決めて、あらかじめ受講者やその上司と握ることで、
受講者に意味のある研修を提供できるようになります。

社内講師育成事例紹介

研修を外注して実施するだけではなく、研修を内製化するために社内講師を
育成することも多いと思います。
弊社では社内講師育成の支援もしており、近年の業績の影響もあり問い合わせが
増えています。

社内講師は多くの場合、社内にも見識があり、経験もある方が選ばれるので、
人前で話をするプレゼンに慣れている方がほとんどです。
ですが、長い場合には丸一日しゃべり続ける研修講師に必要なスキルと
プレゼンスキルは似て非なるものです。

研修での場づくりや学びの設計について知ることで、社内でおこなわれる研修を
より意味のあるものにすることができます。

今回は弊社が実施した事例の中から、インターバル課題を活用しながら
全5回に分けて研修の設計から実践、振り返りまでをおこなった社内講師育成研修を
ご紹介します。

弊社では、個社ごとに完全オーダーメイドで研修をご提案しております。
パートナーとして協力いただいている外部トレーナーが400名以上おり、
個社ごとに合った研修を実施しております。
本記事を参考に、ぜひご一緒に、自社に合った研修を設計してみてはいかがでしょうか。

【研修事例】
テーマ:
社内講師育成プログラム

ねらい:
・社内講師の方に「研修の企画・設計・評価」に関する一連のプロセスを
体系的に学んでいただく
・社内講師の方が効果性の高い研修プログラムを完成させられるようになる

内容:
①DAY1:研修の企画
オープニングで「人に教えるスキル」を教わることがめったにないことを説明し、
経営層の方からメッセージをもらうことで、社内講師を担うことに対する
モチベーションを高めます。
本編では研修企画の基礎を学んでいただき、受講者に「意味がない」と
いわれない研修にするためには、研修ゴールを設定することが重要だということを
理解してもらいます。
最後に、社内講師として研修を実施する時に、受講者の現状と目標を考えるために
必要な項目を説明し、次回研修までのインターバル課題に取り組みます。

②DAY2:研修の評価
取り組んだインターバル課題を共有しあい、
・ターゲットとなる「受講者」は明確に絞り込まれているか
・「研修ゴール」は研修内で達成できるものになっているか
など、研修企画をブラッシュアップするために必要な観点をフィードバックします。
本編では、実施した研修の効果を測定するものさしと測定方法について学び、
効果を持続させるために講師ができることや、研修設計時に考えておくべき仕掛けや、
研修効果を高めるための工夫を考え、インターバル課題に取り組みます。

③DAY3:研修の設計(前編)
取り組んだインターバル課題を共有しあい、
・効果性を高める工夫にはどんなものがあるか
・その施策は自身が想定している研修時間内で出来る内容になっているか
などについてフィードバックします。
本編では、長時間話す研修の難しさについて理解した後、受講者を意図した
「研修ゴール」に導くために必要な、研修設計の3ステップを習得します。
インターバル課題では、研修設計フォーマットをもとに、自身がおこなう研修を
設計することに取り組みます。

④DAY4:研修の設計(後編)
取り組んだインターバル課題を共有しあい、
研修設計では、研修のオープニング部分も重要であることをフィードバックします。

本編では、受講者の方を巻き込む場づくりのためのオープニングの手法を習得し、
研修教材のポイントについても学びます。

ここまで4回の研修を通じて、研修づくりを体系的に理解していただき、
研修のPDCAが回せる研修設計の習得を通じて、インターバル期間で研修を
実際におこないます。

⑤DAY5:研修の実施
実際に社内講師として研修をおこなったことを通じて、オープニングから
クロージングまでの進め方と、研修中におこった受講者の変化について考え、

・受講者を「受け身にさせない」始め方のポイントが理解できている
・受講者に「学びと気づきを促す」進め方が理解できている
・受講者の「集中力を持続させる」進め方のヒントが得られている

状態にしていき、今後「自信」と「想い」を持って、社内研修を
提供できるようになってもらいます。

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