研修デザイン入門③~研修当日の内容を設計する~

弊社は人材育成組織開発のお手伝いをしている会社です。
外部のトレーナーと協力し、最上志向なお客様の人材開発ニーズに
完全オーダーメイドで対応し、ベストフィットなソリューションを
プロデュースしています。

プロデュースしている人材開発ソリューションの中でも、
弊社が最も得意としているのが、人材育成研修です。

このシリーズでは、企業の教育担当者が効果性の高い研修設計を実現できるよう、
弊社がこれまでデザインして培ってきたノウハウをご紹介します。

第3弾の今回では、受講者に「つまらない」といわれない研修にするための
「研修設計」のポイントをご紹介します。

研修実施を難しくする3つのポイント

第1弾第2弾のコラムでは、
研修前後の取り組みについてご紹介してきました。
研修前後の取り組みが重要とはいえ、研修プログラムにもこだわらないと、
その効果を最大化することはできません。

企業の教育担当者が知っておくべき、研修ならではの難しさには何があるのでしょうか。
ビジネスパーソンの多くがプレゼンテーションをおこなう機会があるかと思います。
プレゼンテーションをする時には、事前準備をし、不特定多数の人に対して、
特定のテーマについてしゃべりかけます。

研修でも同様のことをおこないますが、プレゼンテーションとは違う、
研修を難しくするポイントが大きく3つあるといわれています。

①拘束時間が長い
研修は多くの場合、3時間以上と長時間にわたって複数の受講者を拘束します。
相手を長時間拘束することへのリターンが求められ、やりっぱなしの研修では
満足度も研修の効果も著しく減少します。
また、研修中必要に応じて研修の目的を何度もリマインドしないと、
なんのために研修に参加しているのか見失う可能性もあります。

②多様な受講者が集まる
研修では多様な受講者が一度に集まります。
大人は子ども以上に飽きやすいともいわれており、飽きさせない工夫が必要です。
そのため研修は、一方的な講義スタイルでおこなうものもありますが、
双方向のやり取りが生じる進行にすることが一般的です。
特にキャリア研修など、年代や階層で分けて受講者を集めて実施する研修の場合には、
モチベーションが大きく異なる受講者を上手に巻き込む工夫が必要です。

③業務に役立ててもらえるようにする
研修は、受講者の成長を促すために実施されますので、知識・スキルの習得や
マインドの変化が求められます。
大人が学習する時には、過去の自分のやり方を反省するなど「痛み」が伴い、
ネガティブな感情が生まれる場合もあります。そんな感情を乗り越え、
研修後に受講者の行動が変わり、実践してもらえるように「元気づけて」
現場に戻す必要があります。


企業の教育担当者は、これらの研修ならではの難しさを把握し、
これから述べるカリキュラムの設計はもちろん、トレーナー選びも慎重に
おこなわなくてはいけません。
トレーナーとしてのスキルや経験はもちろん、自社の受講者特性に合った
トレーナーなのかを見極める必要があります。

 

研修設計の2つのステップ

研修は、会社や受講者の問題解決のために実施され、研修前の受講者像と
研修後の受講者像の変化を具体的にイメージする必要があります。
ですので、研修は受講者が変化する様子を思い浮かべながらストーリーを
つくらなくてはいけません。

ストーリーのある研修を設計するための2つのステップをご紹介します。

①研修全体を構成する
研修は大きく分けるとオープニング、メインアクティビティ、
クロージングの3部構成です。
オープニングでは研修ゴールの確認や受講者に関する情報収集をおこない、
メインアクティビティで受講者の問題解決を目指し、クロージングで
今後の目標や計画の立案などを通じて学びの定着をねらいます。

特に重要なのがオープニングで、研修成果の成否のうち8割がここで
決まるともいわれています。
研修冒頭に研修の目的やメリットなどを説明することで、研修参加の意義を明らかにし、
そのための研修カリキュラムの全体像を提示し、グランドルールを
設定することが必要です。

また、本心では参加したくないと思いながら研修に参加する受講者も多いですし、
慣れない場でこれからどんなことをやらされるのか落ち着かない受講者もいます。
誰とも分からない研修講師や、普段交流のない受講者同士に対する緊張もあります。
そんな受講者の緊張の壁を取り払いつつ場に巻き込むファシリテーションが
必要とされます。
また、最近はオンライン研修も増えていますので、オンライン研修ならではの
コツも知らなくてはいけません。

メインアクティビティ(研修本編)では、「90・20・8の法則」を意識して
プログラムを組み立てます。
・90→人が理解しながら話を聴けるのは90分まで
・20→人が記憶しながら話を聴けるのは20分まで
・8→人が飽きずに集中して話を聴けるのは8分まで
という法則です。

この法則を意識しながら休憩を織り交ぜ、飽きられないよう
アクティブラーニングな研修を設計します。

クロージングでは、研修内容をおさらいし、受講者が学んだことを
現場で実践し変わってもらえるよう元気づけて送り出します。
研修の最後が最も記憶に残りやすいと言われており、丁寧なデザインが必要です。

②バリエーションを付ける
先ほどから説明している通り、研修には多様な受講者が参加します。
ハーバード大学のハワード・ガードナー教授が提唱している「多重知能理論」
というものがあります。
「人によってある知能が強かったり、ある知能が弱かったりする」という考え方で、
学び方には違いがあるという理論です。
たとえば、ひたすら繰り返し書くことで覚える人もいれば、
語呂合わせや音楽を利用する人、またはイメージを想起することで覚える人もいます。

人によって得意とする学び方が違うので、なるべく様々な学び方をミックスしたほうが、
多人数で集まる研修では効果が見込めます。

研修での学びを促す手法としては、グループディスカッションやケーススタディ、
ワーク、ロールプレイ、診断ツールの活用など、様々あります。

講義に加え、これらの手法をうまく配置することで、対話を促し、
受講者に気づきを与え、実務での活用イメージを持たせられるようストーリーを
組み立てます。

自分でストーリーを組み立てられる教育担当者や社内講師の方もいらっしゃいますが、
プログラムのカスタマイズは、出来ればプロに相談したほうが研修効果を
高める研修プログラムが出来上がると思います。

研修に必要な教材や備品とは

研修中に使用する資料には、受講者名簿、受講者名札、タイムスケジュール、
投影用(進行用)スライド資料、受講者用テキスト資料、研修中の必要なタイミングで
使用する個別配布資料があります。
これらに加え、研修前後で課題資料を活用することもあります。

集合研修の場合は受講者数に合った研修会場を確保するのも一つの準備であり、
海外や地方から参加する方向けの宿泊の手配なども考えなくてはいけません。

グループワークなどで使用するポストイットやホワイトボードなども
準備が必要ですし、オンライン研修であれば投票機能やホワイトボード機能を
備えたツール、作成した資料を保存して共有するクラウドツールなどを
準備すると進行しやすくなります。

タイムスケジュールがあることで教育担当者は研修中に全体を俯瞰し、
受講者の様子を見ながらストーリーどおりに進んでいるか確認しやすくなります。

投影用(進行用)スライドは、たとえばスライドに空白を入れることで、
受講者に参加してもらい、巻き込む工夫などもあります。

研修中に改めて配る配布資料があることで、受講者を飽きさせないなどの効果が
期待できます。

受講者に参加してもらいやすい研修にするために、研修教材や備品も意外と
大きな役目を果たしているのです。

全体のまとめ

いかがでしたでしょうか。
研修の目的、ゴールの重要性に始まり、研修前後の設計、研修内容の設計と
全3回にわたりお付き合いいただきありがとうございました。

近年、e-learningやオンライン・対面での集合研修を組み合わせながら
社員が学び続けられる環境を整えることがますます重要視されています。

嫌々学ぶのではなく、学ぶことがうれしく、今の自分を超えることを楽しく
思ってもらいたく、弊社では日々研修などの人材開発ソリューションを
プロデュースしています。

研修だけでなく、研修前後の仕組みも含めて、是非皆さまと一緒に作り上げて
いけることを楽しみにしています。

弊社では、個社ごとに完全オーダーメイドで研修をご提案しております。
パートナーとして協力いただいている外部トレーナーが400名以上おり、
個社ごとに合った研修を実施しております。
本記事を参考に、ぜひご一緒に、自社に合った研修を設計してみてはいかがでしょうか。

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