弊社は人材育成、組織開発のお手伝いをしている会社です。
外部のトレーナーと協力し、最上志向なお客様の人材開発ニーズに
完全オーダーメイドで対応し、ベストフィットなソリューションを
プロデュースしています。
プロデュースしている人材開発ソリューションの中でも、
弊社が最も得意としているのが、人材育成研修です。
研修デザイン入門シリーズのコラムでは、研修前後の設計の重要性や、
研修当日に受講者を変化させるストーリー構成と手法についてご紹介しました。
研修プログラムを設計し、複数の講師が教えられるようにしている企業や
研修会社も多いですが、「誰が教えるか」というのは、実は非常に大きな問題です。
同じ研修プログラムを複数の教室に分かれて同時並行で進めたときに、
教室によって違いが出てしまうことは珍しくありません。
2017年にシカゴ大学のリチャード・セイラ―教授がノーベル経済学賞を
受賞したことで話題となった行動経済学にもあるように、人は理論ではなく
感情で動きます。
「この講師の研修ならちゃんと聞こう」と思ってもらえないと、
内容的には正しかったとしても場が冷え切ってしまい、受け入れてもらえません。
そこで今回のコラムでは、「何を教えるか」ではなく、「誰が教えるか」に注目して、
失敗しない研修講師選びのコツをお伝えいたします。
誰が研修講師をするのか
皆さまの会社では、誰が研修講師をしていらっしゃいますか?
研修講師となる人には、以下の4つのパターンがあります。
①経営トップ層
研修冒頭などに、研修の組織的な意味付けや、そこにかける経営陣としての想いや
意気込みなどを語る際に登壇します。多くの場合、短時間でまとまった内容を話します。
それ以外にも、社長自らが社員を育てようと講師となることもあります。
②事業部のマネジャーや社員代表
たとえば新入社員研修のときなど、非定期的かつ短時間で自社社員が
研修講師をすることがあります。
組織内部のことを周知したり、その事業部ならではのサービスを教えるときなどに
スポットで登壇します。
③社内講師
自社内に社内講師育成や認定制度を持ち、定期的に自社社員に教える講師です。
社内講師は育成コストがかかりますが、自社の目的に合ったオリジナルの
研修プログラムを実施できるため、研修内製化を進める企業が増えてきています。
④外部講師
社外の専門講師です。後述しますが、自社にはない専門知識を教えたり、
社内講師では話を受け入れてもらえにくい場合などに活用します。
研修効果を上げるために外部講師を活用する場合とは
研修をすべて内製したほうが自社に合った研修ばかりになりそうですが、
必ずしもそうとは限りません。
外部講師の活用は、質の高い講義を通じて新しい知見や気づきを得ることができ、
研修の費用対効果を上げられることも多々あります。
ですが、講師の選定は意外と難しく、「社内講師をアサインするか」それとも
「外部講師に依頼するか」について悩んでいる教育ご担当者は多くいらっしゃいます。
そこで、どのような場合に外部講師を依頼すべきかの判断基準をまとめてみました。
①研修内容
一番わかりやすいのは研修内容による判断基準です。
社内講師のほうが適しているといわれている研修テーマは、以下の3つです。
・企業理念や行動規範に関するもの
・社内業務、ルール、自社のいる業界に関するもの
・自社の業務で必要な基本的なスキルやノウハウ、自社に蓄積されている特殊スキル
一方で外部講師に依頼することが適しているといわれている研修テーマは、
以下の3つです。
・資格を必要とするような専門的な内容や、現状自社内にノウハウがないもの
・最先端の内容や最新動向を扱うもの
・MBAなどの体系的な知識や、一般的に幅広く必要とされるビジネススキル
②社内の組織事情
主に階層別に研修を実施する場合に外部講師を活用することがあります。
特にマネジメント層や経営層など、年長者になればなるほど社内の組織事情も
絡むことから、外部に依頼したほうが良い場合が多いです。
次世代リーダー育成のような、変革を目指し、既存組織に縛られたくない場合も同様です。
外部講師という外からの刺激を与えることによって、集中力や聞く姿勢を
維持させるために新入社員や若手社員育成プログラムの一部で外部講師を
活用する場合もあります。
上司から日常的に言われていることであっても、外部講師から客観的な事例を
交えて言われると、受け入れやすくなるものです。
③コスト
ほとんどの場合、社内講師として雇用される社員はいません。
そこで社内講師は、研修の質を高めるために「教える技術」について学ぶ必要があります。
たとえば営業のトップセールスに研修をしてもらったからといって、
うまくいくとは限りません。また、社内講師が研修を実施しても、
「教える技術」が未熟であれば効果が上がらないことは多くあります。
そもそも社内講師を育成しようとしても、忙しい日常業務にプラスして
講師をしたいと考える社員は少なく、適任者を探すことにも時間という
コストがかかります。
このような理由から、たとえばロジカルシンキングやプレゼンテーション研修のような
ビジネススキル研修は外部講師に依頼したほうが効果も高く、
コストが下がることが多いです。
また、最近ではe-learningの活用も進んでいます。
④専門的な設備やツールを必要とする場合
製造業やIT、医療など専用の設備が必要な研修も外部に依頼することが多いです。
また、最近ではサーベイやアセスメントを研修と組み合わせることも増えてきており、
専門的なツールが必要な場合にも外部講師に依頼が必要です。
最近ではVRのような最新技術を活用した研修もあります。
研修がつまらないといわれないために注意すべき、外部講師選定の3つのポイント
外部講師に依頼すれば多かれ少なかれコストが発生します。
せっかく思い切って外注したのに失敗はしたくないですよね。
そこで、13年以上研修講師を選び続けてきた弊社が考える、
失敗しないための3つのポイントをご紹介します。
①柔軟性があるか
外部講師は多くの場合、自分のパッケージを持っていますが、
それを各組織・企業に落とし込むためには、必ずカスタマイズをする必要があります。
また、当然研修当日も受講者に合わせて、ライブ感あふれる研修を進めなくてはいけません。講師と事前に打ち合わせをするときに、自社のことをしっかり調べて、
自社の立場に立ったヒアリングをしてくれなかったり、研修当日の台本が
非常に綿密に設計されていたりする場合は注意が必要です。
②失敗経験を語れるか
研修では受講者に共感してもらわなくてはいけません。
たとえばマネジメント研修にマネジメント経験のない講師が登壇する場合がありますが、そのような場合、
「言ってることは分かるけど、現場は忙しくてマネジメントどころじゃないんだよ」
となってしまいがちです。
講師が失敗経験として、「自分もマネジメントが苦手だった」と
思っていた過去があり、現場で失敗し、うまくいかなかったことを語ることで
共感が生まれます。
そして、そこから工夫して乗り越えた経験から学んだセオリーや心構え、
そのストーリーが人の心を揺さぶることにつながります。
③企業風土に合っているか
他にはない独自のプログラムを持っていたり、ファシリテーションの評判が
いい講師であっても、その企業や組織の風土、雰囲気と合わなければ、
経営陣や現場上司はもちろん、受講者からも受け入れられることが難しくなります。
研修のねらいが同じプログラムであっても複数の講師候補を提案し、
選択させてくれる研修ベンダーに依頼したほうが失敗する可能性は低くなるのでは
ないでしょうか。
いかがでしたか。
弊社では、個社ごとに完全オーダーメイドで研修をご提案しております。
パートナーとして協力いただいている外部トレーナーが400名以上おり、
個社ごとに合った研修を実施しております。
本記事を参考に、ぜひご一緒に、自社に合ったトレーナーを選び、
研修を実施してはいかがでしょうか。