経験から学ぶってどういうこと?『リフレクション』で人と組織を成長させる!

ビジネスパーソンは常に課題に追われています。

特に最近は企業を取り巻く環境の変化が速く、またSDGsやESGのような
社会課題にも取り組む必要があり、立ち尽くしてしまうほどの
多くの課題が降ってきます。

・市場規模はほとんど変わらないのに、業績目標ばかりが高くなる
・やることばかりが増えていき、同じような失敗を繰り返してしまう
・部下に自律して働いてほしいが、どう育成していいかわからない
・急に変われといわれても、過去の成功体験を踏襲してしまう

など、多くのビジネスパーソンが、両手いっぱいに課題を抱えながら、
環境に流される感覚に悩まされているのではないでしょうか。

そんな困難な時代のビジネスパーソンに取り入れてほしいことが、
自分自身と向き合う「リフレクション」です。
「リフレクション」をおこなうことで、あらゆる経験から学びを得て、
未来の意思決定と行動に活かすことができるようになります。

ロジカルコミュニケーション
ラテラルシンキングのように、
新しい知識や思考法、手法を学ぶことも重要ですが、同時に自分の内面を
アップデートしなくては、新しく得たスキルを使いこなすことはできません。

今回のコラムでは、最新の研修事例とともに、そんなリフレクションについて
ご紹介します。

リフレクションとは何か

人材育成の分野においてリフレクションとは、
「自分自身の仕事や業務から一度離れてみて、仕事の流れや考え方・行動などを
客観的に振り返ること」です。

日本語では「内省」という言葉が最も近い意味として使われていますが、
リフレクションは、「自分の内面を客観的、批判的に振り返る」ことを指します。

失敗だけでなく成功も含め、経験したからこそ知っていることを、
知恵に変えて、未来を変えるためにおこなうのがリフレクションです。

ですので、リフレクションには特に失敗経験をポジティブに振り返る力が
求められ、「これからできるようになる」と前向きになることができるため、
自分も組織も成長するための新しい気づきや知恵を得ることにつながります。

リフレクションが必要な2つの理由

ビジネスパーソンの多くは、結果を出すことだけに注力しがちです。
ナレッジ化して組織に共有することの重要性を頭では理解していても、
課題に追いかけられ、つい後回しになってしまう、なんてことは
よくあるのではないでしょうか。

せっかく結果を残していても、「なぜよい結果が出せたのか」を
他者に説明できなければ、自分にとっても組織にとっても
大きな2つのリスクを抱えることにつながります。

①成長が止まる
結果を出せる理由を説明できないと、いつまでも自分で
自分のやり方を続けなくてはいけない状態になり、新しい挑戦ができず、
自分も組織も成長が止まります。

たとえば、管理職になったのに、いつまでもプレイヤーとしても
活躍する方を思い浮かべるとイメージしやすいのではないでしょうか。
管理職の方はいつまでも「優秀な人」であり、部下も同じ仕事を続けるため、
組織が成長することはありません。

②過去の成功体験に縛られる
アンコンシャス・バイアスのコラムで
ご紹介したように、過去の成功体験は、人や組織が効率よく、
また間違えることが少なく意思決定をすることを助けてくれます。

過去は未来への貴重な財産といえますが、冒頭でご紹介したように、
今は企業を取り巻く環境の変化が速い時代です。
過去の成功体験ばかりでは、成果を上げ続けることは難しく、
こちらのコラムでもご紹介したように、
マインドを変えてものの見方を変えないと、「こうあるべき」という思考に
縛られてしまいます。

リフレクションの4段階

これらの2つのリスクを取り除くのに有効なのがリフレクションです。
リフレクションには、4つの段階があります。

①事実を客観的に、正しく捉えて振り返ること
②起こった事実を自分ごととして捉える
③自責から導き出された自分の行動を振り返り、次にとるべき行動をみつける
④過去の経験から得た「こうすればいいはず」という思考のバイアスを外す

この4つの段階を踏むことで、行動を変え、マインドを変えることができます。

まず、事実やデータに基づいて、ありのまま客観的に経験を
振り返るところから始めます。

たとえば失敗経験を振り返るときに、最初から自分の主観が入ると、
言い訳が先行し、適切に振り返ることができません。
冷静に客観性を持つことで、正しく経験を振り返る必要があります。

次に、当事者が自ら主体的に振り返ります。リフレクションは本来、
他者から強制されておこなうものでも、上司から
与えられるものでもありません。

そして、主体的に振り返り、何を変えれば「ありたい姿」に
近づけるのかを考えることで、次にとるべき行動をみつけ、
さらには思考のバイアスを外すことができます。

リフレクションの実践方法

リフレクションを実践するためのフレームワークには、
いくつか種類がありますが、今回はその中から代表的な、
コルブの「経験学習サイクル」をご紹介します。

この経験学習サイクルは、
アメリカの組織行動学者ディビット・コルブが提唱したものです。

・経験する:どんな成功、または失敗経験をしたのか
・振り返る:そこから何を学んだのか
・法則を見出す:そこからどんな教訓や法則を見つけたのか
・次の計画に活かす:次のアクションをどうするか
という4つのステップを繰り返すことで、経験から学ぶ力を高めます。

このサイクルを回せるようになると、行動を変え、
思考のバイアスも外せるようになり、自分や組織の成長に
つなげることができます。

たとえばロジカルスピーキングを実践して、営業で受注が取れる
という成功体験をしたときに、その話し方を振り返り、
会議や上司への相談にも活かせる法則を見つけ出し、
次にどうアクションするかを決める、ことがあげられます。

リフレクションを教育に取り入れるメリットとは

リフレクションには人材育成に取り入れることには、
具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。

①リーダーシップを発揮できる人材を育成できる
リフレクションでは、他者から指摘されて自分の間違いや
改善点を変えるのではなく、自分の言動を客観的に振り返り、
改善していきます。
そして、客観的に自分を見つめ直す力を養えば、他のメンバーや
チームを客観的にみることができ、チームを俯瞰して
どのような改善や指示が必要なのか適確に判断できるようになります。

また、リフレクションによって自分の信念や大切な価値観、
内発的動機の源泉を知ることができます。それがぶれない軸を
持つことにつながり、チームへの影響力を高めることができます。

現代では、カリスマ型リーダーシップではなく、
サーバント型リーダーシップのような、
誰もがリーダーシップを発揮する組織を作ることができる
リーダーが求められています。

リフレクションができる社員がリーダーになれば、
チームや組織全体にリフレクションを定着させ、
メンバー1人ひとりが主体的に自分自身の振り返りを
おこなう自律的な組織をつくることができます。

②自律できる人材を育成する
リフレクションで、自分で自分の日々の振り返りを
繰り返しおこなうことによって、自律してPDCAを
回せる人材が育成できます。

たとえば、新入社員が向上心を持って仕事に取り組むためには、
リフレクションが重要です。

リフレクションによって、自分自身が
「何ができるようになったのか」
「どんな視点を持てるようになったのか」
という成長実感を得ることができます。

新任管理職研修事例紹介

繰り返しになりますが、リフレクションを身につけるメリットには、

・リーダーシップを発揮できる人材を育成する
・自律できる人材を育成する

ことが挙げられます。


今回は、新任管理職の方に向けて、
コンセプチュアル・スキルをテーマに、リーダーシップの考え方や、
リーダーとして成長するために必要なリフレクションスキルも
学べる仕立てにした研修事例をご紹介します。


テーマ:
昇格者向け コンセプチュアル・スキルUP!研修(4日間)

ねらい:
・昇格者に期待するコンセプチュアル・スキルにおいて、
より現場で使える実践スキルを習得する

学びのポイント:
・リーダーに求められる役割期待とコンセプチュアル・スキルの必要性を理解する
・多くの演習を通じて、コンセプチュアル思考ができるようになる
・実際の問題解決を通じて、リーダーとして成長するために必要な
リフレクションスキルを習得する

内容:
①リーダーとしてのコンセプチュアル・スキルの必要性
リーダーとリーダーシップとの違いについて学び、
自分がどんなリーダーシップを発揮してきたか振り返ることで、
リーダーに求められる役割を定義していきます。
また、アメリカの経営学者ロバート・L・カッツが提唱した
「カッツ・モデル」について学び、コンセプチュアル・スキルの
必要性を理解します。

②コンセプチュアル・スキルとは
コンセプチュアル・スキルについて学びます。
コンセプチュアル・スキルの活用シーンや具体例を学ぶことで
イメージできるようにし、たとえば成功体験や失敗体験から
要素を抽出し、抽象化するなど、多くの演習を通じて、
コンセプチュアル・スキルを習得します。
さらに、コンセプチュアル・スキルに必要な14の要素を学び、
自分に足りないものを自覚します。

③問題解決の方法と取り組みテーマの選定
問題を構造化して考える手法や問題解決の手順を学びます。
また、問題を解決するために必要な目標設定についても学び、
インターバル課題として具体的に問題解決に取り組むテーマを決めて、
実行します。

④取り組み状況の振り返り
リフレクションの意味や手法を学び、実際に問題解決に取り組んだ結果を
リフレクションし、成功体験や失敗体験を共有します。
また、お互いにフィードバックし合ったり、トレーナーから
フィードバックを得ることで、今後の取り組みを具体的にしていきます。

⑤多面的視野
リーダーに求められる視野、視点、視座について学び、
自分の取り組みを俯瞰してみる力を身につけます。

⑥取り組みを推進するためのスキル
周囲を巻き込み成果を上げるための巻き込み力について学び、
そのために必要なアサーティブコミュニケーションスキルを
習得します。

⑦問題の再構築
これまでの学びを総括し、取り組んだ問題を再度構造化することを通じて、
自分の取り組みを再考します。
上司に対する成果報告に向けて、アクションプランシートを再構築し、
実行します。


弊社では、個社ごとに完全オーダーメイドで研修をご提案しております。
パートナーとして協力いただいている外部トレーナーが400名以上おり、
個社ごとに合った研修をプロデュースしております。
リフレクションを取り入れた研修のバリエーションも豊富です。
本記事を参考に、是非自社に合った研修を実施してはいかがでしょうか。

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