リスキリングする組織に必要なこととは

企業の教育・研修を支援している株式会社manebiが
2022年1月27日に公表した、国内企業500社を対象にしたアンケート結果によると、
リスキリングを既に実施している企業は52.6%と半数を超え、
今後実施予定と回答した企業と合わせると3社のうち2社が
リスキリングに積極的な姿勢を示しています。

リスキリングは、現在最もホットなテーマのひとつです。
なぜ今、リスキリングが注目を集めているのでしょうか。

リスキリングとは

ビジネスで使われるリスキリングとは、
今後新たに発生する業種や職種に順応するための知識やスキルの習得を目的に、
企業が人材の再教育や再開発をする取り組みを意味します。

経済産業省の定義によると、
「新しい職業に就くために、あるいは、今の職業で必要とされるスキルの
大幅な変化に適応するために、必要なスキルを獲得する/させること」とされており、
転職の場などでも広く利用されている言葉です。

リスキリング同様、最近注目されている言葉に、リカレントがあります。
ほとんど同じ意味で使用されていますが、リカレントは主体が労働者側で、
自分で専門的知識やスキルを身につけたり、学び直しに使用されます。
一方、リスキリングは、主体が企業であることが多いのが、両者の主な違いです。

リスキリングが求められる背景

2020年に開催された世界経済フォーラム(ダボス会議)で、
2030年までに10億人のリスキルを目指すという「リスキリング革命」が
発表されたことで、リスキリングは一気に注目を集めるようになりました。

また、ISO30414にもあるように、人的資本は企業の成長において
外すことのできない項目として考えられ、投資家などに人的資本に対する
情報開示をすることも求められていますし、
2022年夏には日本政府も情報開示指針をつくることが発表されています。

日本でも経済産業省が「第四次産業革命スキル習得講座認定制度」を立ち上げ、
厚生労働省の「教育訓練給付制度(専門実践教育訓練)」と連携して
助成金を出す仕組みをつくるなど、具体的な取り組みが広がっています。

このようにリスキリングが求められる背景には、
現代社会がVUCAの時代と呼ばれ、これまでの常識を覆すような社会変化が
次々と起こっていることがあげられます。

特にデジタル技術の発展による環境変化は目覚ましく、企業に対しては、
そんな環境変化を先読みし、柔軟に対応できる組織を
つくることが求められています。

そこで鍵を握るのがリスキリングです。
これまで通り今の業務に必要なスキルを身につけることに加えて、
リスキリングによって、未来起点で必要な知識やスキルを習得することで、
組織としての能力を上げることができます。

企業がリスキリングを推進するメリットとは

企業が主体として、リスキリングを推進することには、
大きく2つのメリットがあるといわれています。

①新しいアイディアが生まれやすくなる
新しいスキルを習得することは、新しいアイディアの創出にもつながります。
新規サービスや事業の立ち上げに役立つことはもちろん、
既存事業にも新しいアイディアを入れることで、衰退や陳腐化を
防ぐことにつながります。

特に注目を集めているのがDX人材の育成です。
DXを推進することで、たとえば今まで当たり前だった業務が
自動化・ペーパーレス化するなど、業務の効率化や生産性向上が
実現できます。
また、ITが思考の起点となるよう意識を変えることで、
ビジネスモデルを変革し、新しい価値を創造することも期待されています。

人材難の時代であることから、DXを推進できる人材を
外部から確保することは容易ではなく、今働いている社員への
リスキリングを進めたほうが効果的といわれており、特定の社員だけでなく、
全社員を対象にリスキリングを進めることで、組織の能力を
上げていかなくてはいけません。

②社内の文化を知っている社員に活躍してもらえる
リスキリング、というと若手が対象になるイメージがあるかもしれませんが、
40〜50代の中堅社員もリスキリングの重要な対象です。

これまで社内で活躍してきた人材のリスキリングを推進することによって、
社員を入れ替えることなく、企業を支えるコア年齢層を活性化でき、
生産性向上につながります。

また、これまで活躍してきた社員は、企業が今まで作り上げてきた
文化や風土を十分に把握しています。
新しい人材や考えを取り入れ、新たなサービスや事業を
立ち上げることも必要ですが、リスキリングによって、
社内で活躍してきた人材が、さらに活躍できるようになることで、
自社の強みや優位性を生かした戦略をたてることができます。

リスキリングを推進するためのポイント

リスキリングを推進するためにはまず、
現在社員が保有しているスキルや知識と、
今後企業が社員に求めるスキルや知識のギャップを
可視化する必要があります。
事業の特徴や目標、ビジョンによって身につけるべきスキルは
異なります。
最近では組織診断サーベイの活用も広がっており、
ギャップを見える化しやすくなっています。

ギャップが可視化できたら、リスキリングのプログラムを
作成します。
リスキリングに必要な知識やノウハウは、
研修ベンダーや外部コンテンツを活用したほうが、
質の高いプログラムを用意できる場合も多くあります。

リスキリングを推進する手順としては上記のように進めていきますが、
その前提として、経営層も含めた社員全員が
「変化することが当たり前」というマインドを醸成することが重要です。

こちらのコラムでもご紹介したように、
マインドを変え、行動を変えるには大きなエネルギーが必要です。

リスキリングは社員にとっても企業にとっても大きな変化につながります。
ここで重要なのは、ただ新しいスキルを学ばせようとするだけでなく、
最初にマインドセットの取り組みをおこない、当事者意識を醸成することで、
現場での行動変容につなげることです。

マインドセット研修事例紹介

今回は、リスキリングのなかでも最も注目を集めている、
DX人材の育成を目的としたマインドセット研修事例をご紹介します。

この研修では、DXとは何かを正しく理解し、より具体的に、
自分ごととして考えることができるようになるために、
社員全員を対象にe-learningを受講してもらいました。

同時に、DX推進を自分の言葉で語り、
社員に対して説得力のあるメッセージが出せるよう、
経営層を対象に、具体的な行動につなげる
「ワークアウト」形式の研修を実施しました。

今回は、そのワークアウト形式の研修プログラムをご紹介します。

テーマ:
経営層向けDX推進マインド醸成研修

ねらい:
DXを今後自社のなかでどのように推進していくか、
自らの言葉で語り、戦略のイメージが立てられるようになる

学びのポイント:
・自社や業界に対するDX変革のインパクトを知る
・DX推進を大きな機会としてとらえ、始めるべき取り組みを具体的に考える

内容:
①DXとは何か
研修の冒頭にDXのイメージを共有するために、
DXが自社や業界にもたらすインパクトについて学びます。

②DXによる「危+機」
DXは自社にとって危険であると同時に大きな機会であることを認識し、
経営層同士の討議によって始めるべき取り組みを、
具体的な行動までつなげられるように考え、共有します。

③質疑応答・個別フィードバック
共有した計画を、実現可能なものにするために、
質疑応答やフィードバックを通じて、ブラッシュアップしていきます。
この過程を通じて、DX推進を自分ごと化し、当事者意識を醸成するだけでなく、
自分の言葉でメッセージを出せるようにします。

弊社では、個社ごとに完全オーダーメイドで研修をご提案しております。
パートナーとして協力いただいている外部トレーナーが400名以上おり、
個社ごとに合った研修をプロデュースしております。
リスキリング推進やDX推進のためのマインドセット研修のバリエーションも豊富です。
本記事を参考に、是非自社に合ったマインドセット研修を実施してはいかがでしょうか。

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