インクルージョンとは何か~ダイバーシティだけでは不十分な理由~

ダイバーシティの意味

ダイバーシティを初めて提言した米国雇用機会均等委員会によると、ダイバーシティの定義は「ジェンダー、人種、民族、年齢における違いのこと」です。
これが時代とともにどんどんと解釈が広がっていき、最近では「個人間の違い」全てを指すようになってきています。

つまり、企業におけるダイバーシティとは「組織に多様な人材が集まっている状態」のことで、何だか当たり前の、捉えどころがない解釈となってしまっています。

ダイバーシティの種類

多様な人材とは、何が多様なのでしょうか。
高千穂大学高千穂学会の中村豊氏(※1)
はダイバーシティを以下の2種類に分類しており、一部抜粋してご紹介します。

【表層的なもの】
・性別
・年齢
・出身地
・人種、民族
・価値観
・身体的特徴

【深層的なもの】
・働き方、勤務形態
・ライフスタイル
・コミュニケーションスタイル
・所属組織
・職務
・経歴
・教育
・趣味

最近では、ここに意見の多様性を加える見方もあり、さらに解釈が広がっています。

ここまで解釈が広がると、当たり前の認識が広がります。
つまり、「既にうちの企業はダイバーシティな組織じゃないか」という考えです。
これは特に若手に顕著で、組織に多様な人材が集まっている状態は、当たり前なのです。
そして経営層や管理職層からすると、ダイバーシティの意味が広すぎて、自社が推進すべきダイバーシティが何なのかがみえなくなってきています。

インクルージョンの意味

そこで近年重要視されているのが、インクルージョンです。
ダイバーシティにインクルージョンを加えて、ダイバーシティ&インクルージョンと表現する企業が増えてきています。

企業におけるインクルージョンとは、「組織内全てのすべて人の考え方・知識・技能・経験などの能力が認められ、活かされている」状態といえます。

まとめると、ダイバーシティ&インクルージョンとは、「多様な人材が組織に所属し、かつそれら全ての人々が多様性を活かしつつ、企業の成長と個人の幸せにつなげること」ということができます。

若手が求めることは実はこの状態で、「自分の能力が認められ、活かされている状態」であることを強く望んでいます。

ただ、この状態に持っていくことは困難で、ダイバーシティ&インクルージョン推進担当者の方は、四苦八苦しています。

管理職層や経営層は、企業の成長につながるならダイバーシティ&インクルージョンを推進したい(総論賛成)となります。
でも、実際に進めようとするとコスト増やこれまでの慣習の変化が求められ、それが企業の成長へつながりかが見えづらく、各論反対となりがちです。

ダイバーシティ&インクルージョン推進のために考えなくてはいけないこと

インクルージョンという考え方がないと、ダイバーシティ&インクルージョンの目標が、単純に見て分かりやすい数値目標だけになってしまいます。
具体的には、多様な人材の採用や女性管理職比率の数値目標などがあげられます。
最初の第一歩としては非常に重要ですが、これはダイバーシティだけを推進するための取り組みです。
例えば弊社では、代表取締役を含め、女性管理職比率は67%です。社員の45%が女性で、シニアの方にも活躍しています。
残念ながらLGBTQの方や障がい者の方にはまだ所属していただけておりませんが、採用時に応募者の方の表層的な特徴でバーを設けていることはありません。
また、多様な働き方を推進するために、コアタイムのないフレックス制度を導入し、時間外保育に対する補助に加え、今年は更に、男性が育児休暇を取得できる制度を整備する予定です。

ただ、これだけではインクルージョンにはつながりません。
現場を巻き込んで、実際に企業が成長してこそのダイバーシティ&インクルージョンです。例えば弊社では、フレックス制度が活用されるために、個々の時間の使い方を記録し、分析しています。
その結果から働き方の課題を見つけ、アウトプットにつながらない時間を減らすことで、業務時間の効率化と質の向上を目指しています。
また、従業員向けの研修も実施しました。ファンクショナルアプローチという手法で、組織と個人の価値の向上について決めて、実行しています。

このインクルージョンの取り組みが最も重要ですが、実施する内容は多岐にわたり、またこれが正解、という取り組みはありません。

なぜダイバーシティ&インクルージョンの施策をおこなったのか

ダイバーシティが示す多様性は、その解釈が広がり続けています。
ですので、重要なことは、その組織の課題を細かく分解して整理することです。
そして、どういう段階を踏めば理想の姿に近づいていけるのかのロードマップを引いて取り組みをおこなっていきます。
弊社でいうと、
・女性活躍→インクルージョンまで進んでいて、違いが活かされている
・働き方→制度は整ってきているが、企業の成長に結びついているとはいえない
という状態で、女性活躍に課題は感じていませんが、働き方にはまだ課題があります。
昨年から整えている制度を活用し、企業の成長に結びつけるために必要なことを洗い出して取り組んでいます。

繰り返しになりますが、ダイバーシティ&インクルージョンは、企業ごとに必要な取り組みが違いますし、これが正解、という決まったパターンもありません。
ダイバーシティ&インクルージョン推進担当者の方は、本当に様々な取り組みをされています。
そこで、2021年6月16日(水)に、有料ですが、カルビー株式会社の人事総務本部 ダイバーシティ委員会D&I・スマートワーク推進室室長、石井様をご招待して、現場を巻き込むための工夫が共有できるコラボセミナーを開催することにしました。

コラボセミナーの情報を確認する

コラボセミナー後も多岐にわたるダイバーシティ&インクルージョン事例や悩みを各社で共有していけるように、ネットワークグループを構築します。

弊社では、個社ごとに完全オーダーメイドで研修をご提案しております。
ダイバーシティ&インクルージョンに関する企業課題を十分にヒアリングした上で、個社ごとのダイバーシティ&インクルージョン推進に対するアドバイスも実施しております。
自社に合ったダイバーシティ&インクルージョン研修、組織開発を実施していただき、自社を成長させる第一歩を踏み出してはいかがでしょうか。

※1「ダイバーシティ&インクルージョンの基本概念・歴史的変遷および意義」中村豊2017年

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